2022.12.29
月刊暗号資産が選ぶ2022年の「重要ニュース」
2022年もまもなく終わりを迎えようとしています。
今年は世界的なインフレや地政学リスクの上昇、そして金融引き締めなどにより、金融市場は激動の1年となりました。
暗号資産(仮想通貨)業界においても様々な話題がありました。暗号資産価格の下落をはじめ、大手暗号資産取引所FTXの破綻を筆頭とした企業の破綻など、衝撃的なニュースが散見された1年でした。その中でも、国内外でWeb3.0への取り組みが本格的に始まったことは業界にとってポジティブなものであったと言えます。
そんな2022年の暗号資産・ブロックチェーンに関するニュースを独自の目線でランキングにしたほか、今年も各月の重要ニュース(※こちらはタイトルをクリックすると記事へ偏移します)をまとめましたので、ぜひ振り返っていただければと思います。
2022年ニュースランキング
1位:FTXが破産申請 FTX Japan等含む130社が対象
大手暗号資産取引所FTXの破綻は業界にとどまらず、世界の金融業界をも揺るがす出来事となりました。この破綻の背景にはFTXが関連投資会社であるアラメダ・リサーチ(Alameda Research)に特別待遇を設け、無制限の「信用枠」を付与するなど、様々な不正が明るみになりつつあります。
FTXの元CEOであるサム・バンクマン・フリード(Sam Bankman-Fried)氏も詐欺罪などで逮捕されるなど、2022年を代表する衝撃的な出来事になったと言えるでしょう。詳細記事はこちら
2位:イーサリアムの歴史的な大型アップデート「マージ」が完了
今年9月、アルトコインの雄であるイーサリアム(ETH)の大型アップデート「マージ(The Merge)」が完了し、コンセンサスアルゴリズムはPoW(プルーフ・オブ・ワーク)からPoS(プルーフ・オブ・ステーク)へと移行しました。この歴史的なアップデートの裏ではPoS移行に反対する勢力によりPoW版イーサリアム「EthereumPoW(ETHW)」が生まれた点も話題となりました。
イーサリアムは2023年3月頃に再び大型アップデートを計画しており、引き続きその動向には注目が集まるものとみられます。詳細記事はこちら
3位:テラのステーブルコイン・USTの価格が崩壊 LUNAも50%超の下落
アルゴリズムによってコインの供給量を調整して価格を安定させるアルゴリズム型ステーブルコインのTerraUSD(旧UST)の価格が米ドルとの連動から外れ、テラ(Terra:旧LUNA)エコシステムが崩壊しました。テラの価格もわずか2日で約1万円から100円ほどまで急落するなど、各国の規制当局が暗号資産規制の必要性を再認識した出来事になったと言えるでしょう。
FTXの破綻も踏まえた上で、2023年は各国でより厳しい暗号資産規制が整備される可能性があります。詳細記事はこちら
4位:ロシア、ウクライナに全面攻撃開始 大規模戦争への懸念強まり暗号資産価格急落
今年2月末にロシアがウクライナへ全面攻撃を開始しました。これにより、金融市場や暗号資産市場では不安定な動きが見られました。また、この軍事侵攻がきっかけとなりエネルギー価格が高騰し、暗号資産マイニング企業なども大きな影響を受けています。
今もなお事態収拾の目処は立っておらず、2023年も対立が激化すれば、影響はさらに多方面に波及する可能性があるでしょう。詳細記事はこちら
5位:岸田首相、Web3.0は「日本経済の成長につながると確信」と発言 環境整備を推進へ
岸田文雄首相がWeb3.0について言及し、さらなる経済成長につながるとして環境整備を進めていくと明らかにしました。その後、政府は「経済財政運営と改革の基本方針2022」、いわゆる「骨太の方針」を閣議決定し、自民党においても参院選の公約に盛り込むなど、業界にとっては非常に大きな一歩となりました。
今冬には令和5年度「与党税制改正大綱」の中に暗号資産税制に関連した内容も盛り込まれ、法人の期末時価評価課税が見直されることになりました。今後は個人に対する課税の見直しにも大きな期待が集まります。詳細記事はこちら