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インド準備銀行、11月1日よりデジタル・ルピーの試験運用を開始

インド準備銀行(RBI)は先月31日、11月1日よりホールセール型CBDC(中央銀行デジタル通貨)であるデジタル・ルピー(eルピー)の試験運用を開始すると発表した。

この試験運用には、インド最大の銀行であるインドステイト銀行をはじめ、ICICI銀行、ユニオン銀行など9行が参加するという。

ホールセール型CBDCは、銀行など大口金融機関が利用するためのタイプのものとなる。一方で、企業や家庭など一般的に利用されるタイプのCBDCはリテール型と分類される。

発表によると、今回は政府証券における流通市場取引の決済でeルピーが試験運用される。eルピーを使用することにより、インターバンク市場の効率化が期待されると説明している。

また、CBDCのように中央銀行が発行するデジタル通貨による決済は、決済保証インフラや決済リスク軽減のための担保の必要性がなくなり、取引コストが削減されるとの認識を示した。

今後は他のホールセール取引とクロスボーダー決済の分野でも実証実験が行われる予定だという。試験運用から得られた知見に基づき、将来的には他のホールセール取引やクロスボーダー決済が今後の実証実験における焦点になるだろうと述べている。

リテール型eルピーの最初の試験運用は、顧客と加盟店から構築される非公開グループにおいて、1ヵ月以内に特定の場所で開始されるという。

RBIは先月7日、eルピーの導入計画を発表し、試験的に特定のユースケースで利用可能にする方針を説明していた。その中で、試験運用によりeルピーの機能を高めることができるとの期待感も示している。

また、RBIはCBDCに関するコンセプトノートもリリースした。このコンセプトノートの発行目的は、CBDC全般と、eルピーの機能と計画に関する認識を高めるためであるという。

コンセプトノートでは、技術と設計、デザイン、ユースケース、発行のメカニズムなど重要な事項についても説明している。また、CBDCの導入が、銀行システム、金融政策、金融の安定性、プライバシーの問題などにどのように影響を与えるのかを探っている。

なお、RBIはCBDCは暗号資産(仮想通貨)ではないと強調している。暗号資産は「通貨ではない」とのスタンスを崩しておらず、依然として強硬的な姿勢であることがうかがえる。

画像:Shutterstock

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