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ソラミツ株式会社 武宮誠 氏 独占インタビュー

カンボジアの国立銀行デジタル通貨を共同開発
日本発のブロックチェーン企業ソラミツとは?

2019年11月、カンボジア国立銀行がブロックチェーンを基盤とするデジタル通貨を発行すると発表。その技術を支えているのが、ソラミツ株式会社である。世界中でデジタル通貨発行の動きが加速するなか、いち早くその実現に踏み出したソラミツに詳しく話を聞いてみた。

2020年2月21日(金)発売の月刊仮想通貨4月号Vol.25より

―武宮様ご自身の経歴とソラミツ設立の経緯を教えて下さい。

武宮氏(以下、武宮):もともとは米国の大学でコンピューターサイエンスを学んでいた時に来日して、日本電気(NEC)で修論の研究を行いました。卒業後は日本で国際電気通信基礎技術研究所(ATR)の研究技術員として働いています。

 その後、2013年1月に初めてビットコインを利用しました。電子メールと同様の感覚でお金を送れることに大変驚き、感動したことを覚えています。その時から私は、社会の効率を向上する為にお金をデジタルデータに置き換える技術を考え続けてきました。そして、ビットコインではありませんが他の仮想通貨のコミュニティーに参加しはじめたのです。そのなかで、NEMの合意形成システムとして、プルーフ・オブ・インポータンスを提案して、NEMの開発に参加したりしました。そういった過程を経て、共同創業者である松田、岡田と出会い、2016年2月にソラミツ設立にいたったのです。

―ソラミツのミッションはどのようなものですか?

武宮:ソラミツ株式会社は、ブロックチェーン技術を用いたシステムを開発することで産業にイノベーションを起こし、社会の効率を向上することを目的として設立しました。特に金融業界はデジタル技術の可能性を十分に活かしきれておらず、社会ではデジタルマネーはまだ経済活動の基本となっていません。また、人間社会の取引のみならず、コンピューター間の取引も時間と手続きが掛かりすぎており、これらの負担を減らすためにブロックチェーン技術を用いてデジタルマネーのプロトコルを実現することを目指しています。設立から数年の間に、チームは3人の小さなベンチャーから、80人近くの国際的な企業に成長しています。

―独自開発しているブロックチェーン「ハイパーレジャー・いろは」について教えて下さい。

武宮:弊社の設立当時、エンタープライズ向けの最適なブロックチェーン基盤が存在しなかったため、「いろは」というブロックチェーンを独自開発しました。日立、NTTデータ、Coluと一緒にザ・リナックス・ファウンデーションの「Hyperledgerプロジェクト」に正式に参加。ソラミツが開発したブロックチェーンがプロジェクトに採択され、「ハイパーレジャー・いろは」となりました。「ハイパーレジャーいろは」は、国内では楽天証券、損保ジャパンやいくつかの銀行の実証実験として利用されてきました。海外ではモスクワ取引所グループの保管振替機構、インドネシアのメガバンク、カンボジアの中央銀行らが「ハイパーレジャー・いろは」を活用して、決済システム、アイデンティティ管理(KYC)システムを実現しています。「ハイパーレジャー・いろは」の特徴は、資産管理・アイデンティティ管理に最適化されたコマンドをより効率的に実行するシステムです。あえて、自由に何でもできるシステムを目指さないことで、処理速度がより速くなり、安定性やセキュリティが向上しハッキングが困難なシステムになりました。

―ソラミツとカンボジア国立銀行が、「ハイパーレジャー・いろは」を活用し、安全・簡単・迅速かつ無料の決済・送金を実現するデジタル通貨「バコン」を開発し、正式導入に向けたテスト運用を開始したと報じられました。

武宮: ソラミツは「ハイパーレジャー・いろは」のブロックチェーン、バックエンドシステム、モバイルアプリを一貫して開発してきました。フルスタックを統合的にコントロールした結果、画期的なUXも実現しています。
 現在は公開パイロットテストを行っている最中です。カンボジアでは誰でもアプリをインストールして利用可能です。

―リブラや中国のDCEPなど、ブロックチェーンベースのデジタル通貨の開発を目指す動きが世界中で加速しています。デジタル通貨の将来性や有用性についてどのように感じていますか?

武宮:デジタル通貨の発行は、自国経済圏の拡大につながります。だからこそ早期のデジタル通貨発行を実現することで優位に立てると気付いた国から、具体的な動きが始まっていますね。
 もちろんデジタル通貨発行によるリスクはありますが、発行しなければ不利になるというリスクのほうが大きいと思います。他国の通貨が流通することに防ぐためにも、デジタル法定通貨は役に立つでしょう。

―デジタル通貨の先駆けとなったバコンの今後が楽しみです。ソラミツの技術を日本で利用する計画はありますか?

武宮:カンボジア国立銀行のバコンの技術を用いた、日本初の円ベースのステーブルコイン「白虎」の本番運用をまもなく会津大学で開始する予定です。中央銀行でも大学でも、規模に関係なく共通するシステムが利用可能なことは、やはりブロックチェーンの大きな特徴だと思います。

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