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黄金の「Zipangcoin」 (ZPG) デジタルアセットマーケッツ独占インタビュー

日本初!ゴールド(金)価格に連動を目指す「ジパングコイン」(ZPG)を取扱中

2022年9月21日(水)発売の月刊暗号資産11月号 Vol.45より

証券会社向けのフロントシステムを開発・販売してきたインタートレード社と、グローバルにコモディティー取引を展開する同分野国内最大手の三井物産との出会いが、「ジパングコイン」(ZPG)誕生のきっかけとなった。ジパングコインは単なる暗号資産の一商品にとどまらず、将来的にはそのプラットフォームを活用して、金融市場への拡張、決済での活用など、日本に必須のデジタル金融インフラになることを目指している。

―株式会社デジタルアセットマーケッツが、現在どのような事業をされているのかをお聞かせいただけますでしょうか?

西本一也氏(以下、西本):デジタルアセットマーケッツ社は、資金決済法における暗号資産交換業者です。現状、「ジパングコイン」(ZPG)というゴールド(金現物価格)との連動を目指した暗号資産の販売サービスを開始しています。
 直接お客様にお取引いただくこと(B for C)に加え、他の暗号資産交換業者様経由でもお取引いただくB to B for Cを積極的に推進していきたいと考えています。
 7月13日から株式会社DMM Bitcoin様でもお取引いただけることとなりました。今後は他の暗号資産交換業者様でもお取扱いいただく予定となっています。

―「ジパングコイン」(ZPG)発行に至った経緯と目的を教えていただけますでしょうか?

加藤次男氏(以下、加藤):デジタルアセットマーケッツの株主でもある三井物産では、コモディティートレーディングをグローバルに展開しており、企業のリスクヘッジニーズを満たしつつ、自己トレーディングにて収益を極大化するビジネスを行っています。
 ブロックチェーンという新技術と、西本社長が兼任されている株式会社インタートレードとの出会いもあって、このモデルを一般の個人の方々にも、拡げて提供したいという想いが、現在のゴールド(金現物価格)との連動を目指した「ジパングコイン」(ZPG)の発行に至りました。

―「ジパングコイン」(ZPG)発行に至るまで、様々なご苦労があったと思うのですが。

西本:ゴールド(金)は、法令的な解釈を含めて、厳正な取り扱いが求められる商品です。
 盗難や不正等が絶対に発生してはいけないということは当然ですが、暗号資産交換業者である当社が倒産した場合でも、あるいは発行体である三井物産デジタルコモディティーズや三井物産が倒産した場合でも、利用者が不利益を被らないよう、ジパングコインの発行残高には銀行保証が付保されています。万が一発行体等が倒産した場合でも、銀行からの保証金は信託銀行の信託勘定で分別管理され、利用者へ返還されることとなっており、顧客保護を徹底しております。(※)
 こちらは、金融庁に何度もご相談させていただきながら、現行の法規制を順守しつつ、形のないものを形にしていったという部分が、非常に難しかったですね。

(※)保証金の金額は、保証金の支払が行われる時点における「ジパングコイン」(ZPG)の時価相当額であって、「ジパングコイン」(ZPG)購入時の価格(元本)を保証するものではありません。

加藤:たしかに現行の法規制に合わせて構想を実現させることが大変ではありましたが、新しい技術を積極的に使いながら、社会的に意義のあるものを作っていく姿勢について、金融庁は非常に協力的で、日本のために適切に新金融技術を取り入れていくという姿勢を強く感じました。

―構想自体は何年前からあったのでしょうか?

加藤:4年ぐらい前でしょうか。デジタルアセットマーケッツは元々、株式会社インタートレードの100%子会社として2018年に設立されました。2019年には三井物産が出資し、その後、セブン銀行様、日本証券取引所グループ様など多数の企業からご出資いただき、社会に貢献できる公共性の高い会社を目指しております。

西本:構想からサービス開始まで、時間がかかった理由としては、大きく2つあります。
 1つ目は、暗号資産に関する規制や法令が厳しくなる中で、システムを独自に開発したのですが、機能追加や修正が相当数発生したことです。
 また、2つ目は、ブロックチェーンという技術自体が非常に高度で開発の難易度が高かったことです。
「ジパングコイン」(ZPG)の基盤となるシステムは、三井物産100%子会社である三井物産デジタルコモディティーズのシステムとデジタルアセットマーケッツのシステムがペアになって動いております。
 三井物産デジタルコモディティーズがトークンを発行し、暗号資産交換業を行う事業体としてデジタルアセットマーケッツがレートをお客様に提示して約定をつける、という発行体と暗号資産交換業者を明確に分けた「ジパングコイン」(ZPG)の仕組み自体が根本的に新しいと思っています。

―ゴールド(金)という分野で一つのユースケースが出来たと思います。土台を活用して別のコモディティーへのサービスを展開する可能性はありますか?

加藤:貴金属の分野では、次にプラチナとかシルバーを考えております。その後にはエネルギー関連商品を順次取り扱いたいと思っています。
 エネルギー関連商品は非常に幅が広いため、その中でも主要商品である原油から始め、電力、ガス等の商品も検討し、さらにはCO2排出権取引なども考えていきたいと思っています。
 例えば生活に密着したガソリンコインなどが実現できれば、安いと思う時に1年分をまとめ買いするようなことが、一般個人の方々でも容易にできるようになります。日本でもインフレが懸念される状況下、企業と同様の価格ヘッジを、一般個人の方々もできるようになれば、有効なインフレ対策になるのではないかと思います。

―プライベートチェーンを選択した理由をお訊かせ下さい。

西本: そもそもデータの整合性が確保されるブロックチェーンを使うことは必須でした。
 初めはパブリックチェーンを選択することも検討しましたが、処理能力の遅延が発生することが課題となりました。データの整合性を確保しながら、処理能力をあげるためには、基盤となるコンセンサスノードを統一して管理するということが重要な決定要素となります。その結果、自然とプライベートチェーンを選択することとなりました。
 ただ、プライベートチェーンを選択すると様々な欠点もあります。それを補うためにアクセスコントロールや、ブロックチェーンの整備に力を入れて形にしました。
 私は、「メイドインジャパン」にこだわりがあります。特に「ジパングコイン」(ZPG)のコア技術の部分は自分が考えました。自分で自ら考え、作っていく信念を持って向き合っています。
「メイドインジャパン」にこだわり、最適なインフラを模索し、実現可能性を検討した結果が、日本製のブロックチェーンであるmiyabiになったということです。

―お二人が考えるブロックチェーン業界、暗号資産業界の今後の課題はなんですか?

西本:DeFiとかWeb3.0の分野で皆さん関心を持たれているのは、ブロックチェーン業界にとっても素晴らしいことだと思います。
 しかし、ブロックチェーン業界はまだまだ未成熟なエリアで、不十分な部分も多くあると思います。本来、様々なシーンで活用が期待できる技術ですが、どうしても投機的な側面がクローズアップされてしまっています。
 あくまで私の持論ですが、DeFiの技術や概念のいいところというのは、キャッシュレスを通り越した金融機関機能の徹底した効率化だと思います。Web3.0については、将来、金融の概念を大きく変えてしまう可能性を秘めていると考えています。
 DeFiとかWeb3.0の技術や概念を、既存の金融機関の方が上手く活用して、新しいサービスを展開していただきたいという思いがあり、当社もそのお手伝いをしたいと思っています。
 ブロックチェーン業界全体で、既存の金融のサービスの一つとして、DeFi とかWeb3.0の技術や概念を、既存の金融機関や企業の良いところを残しながら、上手くスケールアップ・効率化させていく方向で、皆様と一緒に考えてまいりたいと思います。

加藤:暗号資産交換業者の皆様とは、日本の暗号資産業界全体で発展していくというマインドを共有することができればと思っています。証券金融市場の預かり資産が500兆円〜600兆円と言われているのに対して、暗号資産市場は1兆円前後です。もちろん両業界では歴史の長さが異なりますが、業界全体で取扱いを増やすために、利用者のすそ野を拡大するということが一つの手段になると考えています。そのためには、わかりやすい商品も必要だと信じており、大変僭越ながら、わかりやすく、実用可能な商品として「ジパングコイン」(ZPG)を提供させていただけたと思っています。そういう視点で暗号資産業界全体が発展する方法を皆様と一緒に考えていけたらと思います。

―「ジパングコイン」(ZPG)の一番のポイントを強いて言うのであればなんですか?

加藤:やはり小口化、利便性です。暗号資産が持つ特性の強みそのものだと思います。
 私はいつも「ジパングコイン」(ZPG)は「暗号資産×金」、すなわち「暗号資産」と「金」のいいところ取りをした商品だと発言しています。
 また、ゴールド(金)は、基本的に今ある暗号資産業界のプロダクトとリスクプロファイルが全然違います。どのようなものに投資されている方でも、分散投資という観点から、ゴールド(金)は一部持っておいた方が良い商品であるという特長も大きな強みだと思います。

−−「ジパングコイン」(ZPG)はどのような方々に利用してほしいですか?

西本:まずは、既存の暗号資産をご活用されているお客様方です。ビットコインやイーサリアムなどは価格変動が大きいと思いますが、「ジパングコイン」(ZPG)とは逆相関的な価格変動をする傾向がございます。

「ジパングコイン」(ZPG)を新規に購入いただいたり、既存の暗号資産を売却された資金で「ジパングコイン」(ZPG)を購入いただくこと等により、分散投資が効いたアセットアロケーション構築の選択肢としてお使いいただけたらと思います。

―今後の「ジパングコイン」(ZPG)の展望というのをお聞かせいただけますでしょうか?

加藤:フェーズ1としては今実際取り組んでいることとなりますが、多くの暗号資産交換業者様に取扱っていただき、暗号資産業界内でしっかりと取引を拡げていきたいと思います。
 フェーズ2では、それを金融機関業界全般に拡げていき、フェーズ3では、ポイント交換や決済など、投資家でない方々にも、ご利用いただきたいと思います。また、どこかのフェーズでグローバル展開も視野に入れていきたいと思います。