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    ファイルコインマイニングに投資する前に最低限知っておくべきこと

    Filecoin(ファイルコイン)のネットワークは、2021年9月21日時点でマイナーから提供されたストレージ容量が11.2EiBに達した。約5ヶ月前は4.7EiBであったことから、約2.4倍増加したことになる。客観的な数字で判断しても、Filecoin(ファイルコイン)マイニングへの投資熱がますます過熱していることがうかがえる。

    ファイルコインのネットワーク状況 2021年9月21日時点(Filfoxより)

    Filecoin(ファイルコイン)マイニングやFILそのものへの投資熱が増して来ている中、日本国内でも様々なマイニング案件が登場している。その中では、明らかに疑わしいものがあるものの、そのような業者は魅せ方が上手であるため、知識がない投資家は必然的に食い物にされる構図になっている。そのため、投資家は知識による自己防衛が必要になり、自身が投資するものにはそれなりに詳しくなる姿勢が求められる。これはFilecoin(ファイルコイン)に限った話ではないが、詐欺が多い暗号資産に関するものであればなおさらだ。

    そこで、Filecoin(ファイルコイン)のマイニングパフォーマンスについて知っておくべきことをいくつか挙げていく。それを知ると、自ずとマイナーの良し悪しが分かってくるはずだ。

    Filecoin(ファイルコイン)マイニングのために知っておくべきこと

    1.マイニング報酬すべてがすぐに手に入るわけではない

    Filecoin(ファイルコイン)のマイニングは、マイニング報酬がすべて即時手に入るわけではない。即時に得られるのは20%だけで、残り80%は180日に等分割されて配布される。これは、マイナーが報酬を得た後にストレージをシャットダウンして、預けられたデータが失われてしまうことを防ぐためだ。

    2.マイニングには担保金が必要になる

    Filecoin(ファイルコイン)のマイナーは、マイニングをする容量に応じてFILを担保金として確保する必要が出てくる。冒頭にあげた画像では、Current Sector Initial Pledgeとなっている値がそれにあたり、ネットワーク状況で日々変動するようになっている。以前は、担保金を投資家に求めないマイナーが多かったが、最近はFILの価格高騰により担保金を求めるのが普通になっている。投資家は、マイナーから求められるコストには担保金が入っているということを意識しておこう。

    3.マイニング報酬はすぐに上がらない

    Filecoin(ファイルコイン)では、ストレージにデータが満たされた分だけマイニング報酬がもらえるようになっている。つまり、自分たちが用意しているストレージ容量に対してそのままマイニング報酬が付与されるわけではない。当然ながら、データが溜まっていくのには時間がかかるので、マイニング初期はマイニング報酬が少なくなる。

    4.マイニング報酬はマイナー間で大差はない

    Filecoin(ファイルコイン)のマイニングは、仕組み上データを保管しているすべてのマイナーにマイニング報酬を出すようになっている。Filfoxでは、マイナーのマイニングパフォーマンス数値(Mining Efficiency)を確認することができるが、実際に見てわかる通り、マイナー間で大きな差があるものではない。つまり、管理費のような別の要素がパフォーマンスに大きく影響してくるということだ。特に、MLM形式のマイニング案件は報酬比率が高く、実質的に高い管理費を払っていることになるので、検討対象としては最初から問題外だ。

    5.1TiBあたりのマイニング報酬は時間の経過とともに落ちていく

    Filecoin(ファイルコイン)は、ストレージにデータが満たされた分だけマイニング報酬が出るようになっているが、基本的に1TiBあたりのマイニング報酬は時間の経過とともに落ちていく様になっていく。これは、以下の理由によりどのマイナーにも等しく影響が出るものになる。

    1. 単位時間あたりで新規に発行されるFILの枚数は一定であるため、新規参入マイナーが増えることで、各マイナーのFILの取り分が減少する。
    2. FILの発行設計において、単位時間あたりに新規発行されるFILの数量はならだかに減少するようになっている。

    これ以外にも考慮する事項はまだあるが、最低限上記を押さえておけば十分だろう。

    選ぶべきマイナー

    上記の通り、Filecoin(ファイルコイン)のマイナーはマイナー間でパフォーマンスに差が出てくるわけではなく、マイニング報酬の減少も全部のマイナーで等しく影響を受けることになる。ファイルコインのマイニングは、マイナー間において比較的に平等になっているということだ。

    となると、マイニングで注目すべきポイントは自ずと限られてくる。例えば「IPFS Infinite JAPAN」は、株式会社ウェイサスによって提供されている、日本でFilecoin(ファイルコイン)のマイニングを行う数少ないマイナーである。日本国内でも、官公庁や大企業が集中し、最も重要なインフラ維持が求められる東京都千代田区でマイニングを行っており、データセンターにはサービス断を防ぐために複数の通信回線と、異なる変電所からの複数電源がつなぎこまれている。

    他のマイニングサービスと異なり、IPFS Infinite JAPANのユニークなところは、機器に所有権があることだ。レンタルではなく、買い切りということである。そして、3年間は無料保守がついているため、自分で手を煩わせることは一切ない。3年を過ぎると、所有者にはマイニングを継続するか、機器を買い取ってもらうかの選択肢が提供される。しかし、3年後にはFilecoin(ファイルコイン)を取り巻く状況が大きく変わっている可能性があるため、条件は多少変更になる可能性を考慮に入れておく必要があるだろう。また、税制面として、個人事業主では少額減価償却資産の特例を、法人では中小企業経営強化税制が使える可能性があり、節税の商品としての側面もあるだろう。これについては、税理士のアドバイスを受けることをお勧めする。

    また、IPFS Infinite JAPANはマイナーIDを公開している(ID: f0155983)。注目すべきは直近のストレージパワーの伸びだ。リンク先の「Power Change」の欄において、「Adj. Storage Power」の数値が急激に伸びていることがおわかりいただけることだろう。これは、積極的にマイニング担保を追加して規模拡大を行っている証である。FIL価格の高騰でマイニング担保の追加を渋っているマイナーも多いことから、このようなデータはマイナーの強さを示すものとなる。

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