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SEC、FTX元幹部らを詐欺罪等で起訴 罪を認め調査に協力

米SEC(証券取引委員会)は22日、暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの共同創設者で元最高技術責任者(CTO)のゲイリー・ワン(Gary Wang)氏と、アラメダ・リサーチ(Arameda Research)の元CEOであるキャロライン・エリソン(Caroline Ellison)氏を詐欺罪および証券取引法違反で起訴したことを発表した。両氏は罪を認め調査に協力しているという。

SECの訴状によると、2019年から2022年にかけてエリソン氏はFTXの元CEOであるサム・バンクマン・フリード(Sam Bankman-Fried)容疑者の指示で、同取引所の独自暗号資産であるFTXトークン(FTT)の価格操作を行い詐欺の計画を推進させていたという。

サム氏とエリソン氏がFTXトークンの価格を操作することで、アラメダのFTXトークン保有資産の評価額が上昇。その結果、アラメダの貸借対照表の担保価値が過大評価され、投資家にFTXのリスクについて誤解を与えたと主張している。

また、FTXトークンはサム氏とワン氏が所有しており、エリソン氏が運営するアラメダにおいてFTXの顧客資産を非公開で融資する際に担保として機能していたという。

さらに、サム氏については少なくとも2019年5月から2022年11月まで、顧客資産を保護するための「洗練されたリスク軽減策を備えた安全な暗号資産取引プラットフォーム」とFTXを宣伝し、投資家から数十億ドルを騙し取ったと改めて記載した。これに加え、サム氏とワン氏はFTXの顧客資産を不適切にアラメダに転用したとある。

エリソン氏とワン氏は、サム氏の行動が虚偽かつ誤解を招くものであることを認識していながら、投資家を欺く計画に積極的に参加したとしている。また、ワン氏はアラメダがFTXの顧客資産を転用できるようにソフトウェアコードを作成し、エリソン氏が流用したその資金を用いて取引活動を行なっていたと主張した。

SECのゲーリー・ゲンスラー(Gary Gensler)議長は、「両氏が顧客資産を悪用してアラメダを支え、証拠金取引の担保を差し出す計画に積極的な役割を担った」と主張し、「暗号資産取引所が伝統的な証券取引法を遵守するまで、投資家へのリスクは続くだろう」と述べた。

SECはこの訴状の中で、FTXトークンを投資契約として販売されている「証券」であると言及した。裁判資料では、「FTXで取引の需要が増加した場合、FTXトークンの需要も増加する可能性がある」とした上で、「FTXトークンの価格上昇は保有者に平等かつ正比例して利益をもたらす」と説明している。

なお、サム氏は21日、バハマ当局から米当局に身柄引き渡しが行われ、すでに米国に到着したと複数のメディアが報じた。これにより、今後裁判が始まり本格的な審理が行われるものとみられる。

画像:Shutterstock

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