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英政府、「暗号資産技術と投資のハブ」を目指す計画を発表 税制改正も視野に

英国財務省は4日、英国を暗号資産テクノロジーと投資の世界的なハブとする計画を発表した。

既存の規制を改正、決済手段としてステーブルコインを取り入れる方針を明らかにしている。ステーブルコインは規制対象となることで、英国で公認の決済手段としての使用される道が開かれることになる。

計画によると、まず企業の技術革新を支援する金融市場インフラのサンドボックス(保護された環境)の法制化を行い、分散型台帳技術、暗号資産市場のさらなる発展を促すという。そしてFCA(金融行動監視機構)は暗号資産規制について話し合う「クリプトスプリント(CryptoSpront)」を主催し、業界との意見交換を行うとしている。このクリプトスプリントは5月に初回の開催を予定している。

さらには、暗号資産業界と協力するための官民一体の「暗号資産エンゲージメントグループ」を形成するほか、暗号資産市場の発展を目的に税制改正を模索していくと説明している。

また今夏、英国政府として初となるNFT(非代替性トークン)を発行することも明らかにされた。財務省に属する英王立造幣局と政府が共に開発を進めるという。プレスリリースによると、このNFTは「英国が取るべき前向きなアプローチの象徴」になるという。

リシ・スナク(Rishi Sunak)財務大臣は「英国を暗号資産技術の世界的なハブにすることが私の夢です。本日まとめた施策は企業が英国で投資、イノベーション、さらなる発展を行うための助力の1つとなるでしょう。新しいビジネスと雇用が英国で生まれることを望んでいます。新しい規制の実施は暗号資産市場の安定化につながります」と語った。

一方、ジョン・グレン(John Glen)金融サービス大臣は4日に開催された金融サミットにおいて、ステーブルコインに焦点を当てた上で、「ステーブルコインはドルなどの法定通貨に裏付けられ安定した価値を維持することを目的としていますが、適切な規制が実施されれば安全も保障されることになります。消費者にとって決済の選択肢を広げることにつながります」と語っている。

昨年7月、マンションハウスの演説にて、英国のボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相は金融イノベーションの将来についてのビジョンを示し、英国がテクノロジーとイノベーションの最前線に位置し続けるための計画を発表することを示唆していた。今回の計画はそのビジョンの4つの重要な要素の1つであり、世界の国々が注目する英国の金融サービスセンターを構築し続けることを最終目的としている。

英国政府は昨年、暗号資産とステーブルコインに関する協議を開始した。先月末には、グレン金融サービス大臣が「暗号資産市場の全般ではなく、まずステーブルコインの規制を始める」と述べていた。

画像:Shutterstock