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ステーブルコイン規制等を盛り込んだ改正資金決済法が成立

金融のデジタル化に向けた体制整備を促す改正資金決済法が3日、参院本会議において全会一致で可決され、成立した。

法定通貨などの価値に連動した暗号資産(仮想通貨)であるステーブルコインや、高額送金可能な電子ギフト券などのマネーロンダリング対策を強化することになる。ステーブルコインを規制する法案が可決されるのは初めてのことだ。

今回の改正資金決済法では、ステーブルコインの発行主体の銀行や信託会社、取引と管理を担う仲介業者に登録制を導入する点が大きな変更点となる。業者には犯罪の疑いのある取引はモニタリングを要するなど、マネロン対策を課せられることになる。ステーブルコインの法的な位置付けを明確化し、金融庁の監督によって利用者保護を図る格好だ。

なお、国内の発行主体も限定され、銀行、信託会社、資金移動業者が該当することになる。これにより、利用者が不測の事態により損失を被るリスクを軽減させる狙いだ。

ステーブルコインは海外では決済手段として利用者が増加傾向にある。国内ではテザー(USDT)やUSDコイン(USDC)などを取扱っている暗号資産取引所がないこともあり、決済等での使用が広がっているとは言えない。しかし、金融庁は今年3月、ステーブルコインの成長を見据え、「安定的かつ効率的な資金決済制度の構築を図るための資金決済に関する法律等の一部を改正する法律案」を出していた。

先月初旬、ドルに裏付けられたTerraUSD(UST)が暴落し、暗号資産市場に大きな影響を及ぼした。こういった事例もあり、世界各国の規制当局等の間でステーブルコインに関する規制導入や利用者保護が求められていた。

また、メールで番号を送る等の方法で送金可能な電子ギフト券やプリペイドカードにも規制をかける。1回の送金額が10万円、1ヵ月の送金合計が30万円を超える場合を対象として、発行者に本人確認手続きなどを義務づけることになった。詐欺等の犯罪行為で利用されることを防ぐ狙いがある。

金融機関が検討を進めているマネロン対策として、共同監視システムには許可制を導入し、システムの運営機関には「為替取引分析業」という新たな業種を設けることになった。

画像:Shutterstock

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