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イーサリアムの歴史的な大型アップデート「マージ」が完了

イーサリアム(ETH)の大型アップデート、「マージ(The Merge)」が、日本時間15日15時43分頃に完了した。

マージにおける2段階目のアップデート「パリ(Paris)」が行われ、メインネットとビーコンチェーンの統合が完了し、その後初めて生成されたブロックが確定した。これにより、イーサリアムのコンセンサスアルゴリズムはPoW(プルーフ・オブ・ワーク)からPoS(プルーフ・オブ・ステーク)へと移行した。

イーサリアムのPoS移行は暗号資産業界にとって歴史的な出来事だ。このアップデートを通じて、暗号資産業界は新たなフェーズに突入したと言える。

イーサリアムのPoS移行に向けた取り組みは長年月をかけて行われ、最終的なメインネット移行に先立ち、広範囲に渡ってテストされてきた。

マージ完了のプロセスは約12分間で、その間にブロックチェーンの稼働が停止する事態は発生しなかった。

PoSに移行したことで、今後はマイナーではなく、バリデータが取引の承認作業を行うことになる。イーサリアム財団の試算によると、マージが環境面に与える影響は大きく、これまでマイニングで発生していた総エネルギー使用量の99.95%を削減できるとしている。ETHの新規発行数量もこれまでと比べ90%減少するとされていることから、デフレ資産としての色も濃く映ることとなる。

イーサリアム財団(Ethereum Foundation)は15日、マージが完了する歴史的な瞬間をシェアするためにライブストリームを実施した。

同ライブではイーサリアムの共同創設者であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏も登場し、PoS移行の利点などについて改めて語った。また、自身のTwitterでは「これはイーサリアムのエコシステムにとって大きな瞬間。マージの実現に貢献した人たちは今日、誇りに思うはずだ」と述べた。

マージに関連し、今後注目を集めるものとしては、ハードフォークに伴い誕生することが予想されているPoW版イーサリアムの存在が挙げられる。PoW版イーサリアムを主張する「EthereumPoW」は13日、マージ完了後から24時間以内にメインネットをリリースすると発表した。PoW版イーサリアムのメインネットは公開の1時間前に正式に発表される予定だ。

画像:Shutterstock

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