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米メタが「Novi」終了を発表 一連の「Libra構想」完全に消滅へ

米メタ(Meta)が、暗号資産(仮想通貨)ウォレット「ノビ(Novi)」のパイロット版プロジェクトを9月1日に終了すると発表した。

ノビのランディングページには「ノビのパイロット版運用は間もなく終了します。9月1日移行、ノビの利用ができなくなります。ノビがなくなる前に、残高確認やノビの情報がダウンロードできます」と記された。9月1日までに残高を引き出すようにユーザーに促したほか、それ以降はアカウントにログインすることができなくなることを告知した。

2019年6月にグローバルステーブルコインとして「リブラ(Libra)」構想を発表してから約3年が経ったが、ついにメタによる一連のデジタルトークンプロジェクトが消滅する。

ノビは昨年10月、米国とグアテマラで試験運用が始められた。ユーザーの残高はPacos Trust Companyが発行する米ドルステーブルコイン「Pax Dollar(USDP)」で管理されていた。最終目的はノビをメタの独自暗号資産ディエム(Diem)のデジタルウォレットとして活用することであった。

発表当初、ノビは「カリブラ(Calibra)」と呼ばれていたものの、2020年5月にリブランディングを発表。すでに規制当局による強い反発を受け、マイナスイメージが先行していたリブラの方向転換を図る狙いがあったものとみられる。また、リブラについても名称を「ディエム(Diem)」に変更し、再スタートを切った形となった。

ディエムは米ドルに裏付けられたステーブルコインとして発行することを目指していたものの、今年2月には米Silvergate Capital(シルバーゲートキャピタル)に知的財産権(IP)などが売却された。この時点でメタによるディエムプロジェクトの解体は決定的なものとなっていた。

一方で、メタのデジタル通貨関連の動きが完全に止まったわけではない。

今年4月には、CEOのマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)氏の名前にちなんだデジタル通貨「ザック・バックス(Zuck Bucks)」の発行を計画していることが判明。このデジタル通貨はメタバースでの利用を検討しているとされ、メタが一元管理するアプリ内トークンとして位置付けられる見込みだ。

また、先日にはフェイスブックペイ(FacebookPay)をメタペイ(Meta Pay)へとリブランディングしている。このサービスでは、同社が現在構築しているメタバースと連携し活用することを想定している。

画像:Shutterstock

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