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米メタ、メタバース等で使用可能なデジタル通貨「ザック・バックス」の発行を計画

米メタ(Meta)が、CEOのマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)氏の名前にちなんだデジタル通貨「ザック・バックス(Zuck Bucks)」の発行を計画していることがわかった。7日、Financial Timesが関係者の話として報じた

メタはメタバースでの利用を視野にザック・バックスの発行を目指すという。ただし、報道によると同通貨はブロックチェーンを用いた暗号資産(仮想通貨)ではなく、RPGなどをはじめとしたゲーム内通貨に近い使用でローンチされる可能性があるという。メタが一元管理するアプリ内トークンという位置づけになる模様だ。

現在、オンラインゲーミングプラットフォーム「Roblox」がZ世代を中心に高い人気を集めている。2006年リリースされたRobloxは、現在1日あたりのアクティブユーザー数が4940万人にも上るほど成長した。

Roblox内では格闘・戦闘系や現実世界ロールプレイ系など数多くのゲームがあり、プレイを通じてコインを獲得することや、コインを購入することが可能だ。コインはアイテムやミニゲームの購入などで利用することができる。メタはRobloxの仕様に近いデジタル通貨を発行するものとみられる。

メタが手がけるデジタル通貨といえば、2019年に改名前のFacebook社が発表した「リブラ(Libra)」がある。

当初、複数の法定通貨に裏付けられたバスケット型のステーブルコインとして発行される予定であったが、各国規制当局の強い反発もあり計画は難航。その後、米ドルに裏付けられたステーブルコインの発行へと計画を変更し、プロジェクト名を「ディエム(Diem)」に改名し再出発を図った。しかし、今年1月に米Silvergate Capitalへ知的財産権(IP)などを売却し、プロジェクトは頓挫する結果となっている。

メタは独自暗号資産の発行を完全に断念したわけではないとのことだが、ザック・バックスの計画を踏まえれば、規制当局との衝突を避けたいとの思惑もうかがえる。

なお、ザッカーバーグ氏は先月、InstagramにおいてNFT(非代替性トークン)を導入する意向を示した。

すでに内部テストも行われているとのことで、5月中旬にもパイロット版の運用が行われる可能性があるという。将来的には服などのアイテムをNFT化し、自社のメタバースにおいて利用できるようにすることも見据えているようだ。

画像:Shutterstock