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金融庁、2023年度税制改正要望で暗号資産課税を見直しへ

金融庁が2023年度税制改正要望に暗号資産(仮想通貨)課税の見直しについて盛り込む方針を固めたことがわかった。24日、読売新聞などが報じた。暗号資産を発行するスタートアップ企業を対象に、自社で保有する暗号資産への法人税の課税方法を見直す。

これまでは自社保有分の暗号資産について、期末の時価をもとに課税を行っていた。その際、含み益についても課税対象となっていたため、特に資金繰りの面などで資金調達を行ったばかりのスタートアップには大きな負担となっていた。

今回、金融庁はこの仕組みを変え、発行体となった企業が継続して保有する暗号資産については期末の時価評価対象から除外する。保有する暗号資産を売却し、利益が発生したものについて課税を行う方針だという。

岸田文雄首相は年頭記者会見において、2022年を「スタートアップ創出元年」と定め、今年6月に発表された骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針2022)でもスタートアップ支援を重要投資分野に位置付けている。

また、今年に入ってからは暗号資産課税の見直しについても言及。5月に国民民主党の玉木雄一郎代表が衆議院予算委員会で暗号資産の申告分離課税を岸田首相に提案した際には、前向きな姿勢を見せている。

その後、6月にはデジタル社会を実現するための施策を示す重点計画の改定を閣議決定しており、改めて暗号資産を含むデジタル資産の規制作りを加速させていく姿勢を打ち出した。

今回の暗号資産課税の見直しは政府の方針に沿った形となり、まずは企業に対する税制を見直すことで有望なスタートアップの海外流出を防ぐ狙いがあるものとみられる。

なお、2023年度税制改正要望において個人に対する暗号資産課税の見直しが盛り込まれるかについては明らかになっていない。

個人に対する暗号資産課税の見直しについても、兼ねてより多くの要望が関連省庁などに寄せられている。日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)および日本暗号資産取引業協会(JVCEA)も今月3日、金融庁に暗号資産課税に関する改正要望書を提出したことを発表した。

この要望書では政府のWeb3.0政策推進に向け、20%の申告分離課税と3年間の損失繰越控除、法人期末時価評価課税の見直し、相続した暗号資産譲渡による所得を所得費加算の特例対象にすることなどが盛り込まれた。

画像:Shutterstock

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