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今後を左右するCPIとFOMC−今週の暗号資産を読み解く。

暗号資産市場の動向(12/5-12/11)

先週の暗号資産(仮想通貨)市場は、ビットコイン(BTC)で1万7000ドルを中心とするもみ合いの動きでした。円ベースでビットコインは232万円-234万円台、イーサリアム(ETH)は17万円中心、XRPが52円-53円の動きとなりました。

発表された経済指標では、5日に発表されたISM非製造業景況指数11月が低下すると見ていた予想に反して56.5と上昇。10月は54.4でした。株式市場は6日に反落したものの、暗号資産市場の反応は大きなものではなく、小幅の調整となりました。

また週末9日にはミシガン大学消費者マインド12月が発表され、59.1と予想の58.0を上回り11月の56.8から上昇しました。さらに11月の生産者物価指数(PPI)の発表があり前年同月比+7.4%、前月比+0.3%と3ヵ月連続の上昇を示し、これらの発表を受けて株式市場は調整色と強め、暗号資産もやや甘めの展開となりました。

【今週のイベント】

今後の金融政策の方向性を左右

今週はこのようなイベント発表が予定されていますが、なんと言っても13日の米国CPI(消費者物価指数)と15日のFOMC(連邦公開市場委員会)が注目を集めるでしょう。

内容次第で今後の金融政策の方向性が再度確認され、来年の株式市場を初めとした金融市場の方向性が想定されることになります。

暗号資産市場も同様で、これらの動向を注視する週になると考えられます。また、少し長い目で見た際にはFTXの破綻によるその後の影響や、先週ECB(欧州中央銀行)のパネッタ専務理事が「暗号資産への規制が緊急に必要」と述べたように、欧米を中心とした金融当局の規制への動きにも今後さらに関心が集まるものと言えるでしょう。

Profile ◉倉本 佳光(くらもと よしみつ)
慶應義塾大学法学部法律学科を卒業後、山一証券株式会社に入社し金融業界でのキャリアをスタート。
その後メリルリンチ日本証券株式会社、岡三アセットマネジメント株式会社で手腕を発揮。
これまでにリテール及び機関投資家への営業、上場企業の資金調達、IPO、M&Aなどの業務を担当し、現在では「株式会社J-CAM」にて総合的な金融コンサルタントとして活躍している。