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金融バブル終了で暗号資産はどう動くのか-今週の暗号資産を読み解く。

暗号資産市場の動向(5/2-5/8)

先週(5/2-5/8)の暗号資産(仮想通貨)市場は、米国FOMC(米連邦公開市場委員会)の結果発表を4日に控え、ビットコイン(BTC)は週央まで500万円を挟むもみ合いで推移し、他の銘柄についても慎重な値動きとなりました。

4日、FOMCで政策金利であるFFレート(フェデラルファンドレート)の0.50%の利上げと6月からのQT(量的金融引き締め)開始を決定しました。市場で警戒されていた0.75%の大幅利上げについてパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が慎重姿勢を示したことで過度なリスクオフムードが後退。米国株式市場は大幅高となり、暗号資産市場も連れて堅調に推移し、ビットコインは5日にかけて510万円台を回復しました。

しかし、翌5日になると「高インフレの封じ込めには今回の引き締め策では不足ではないか」との懸念から、米国長期金利が急伸し、米株式市場は前日の大幅高を打ち消し大幅反落となりました。5日の暗号資産市場は、米金利高・ドル高を受け、ドルと等価交換性を持つテザー(USDT)など一部ステーブルコインが底堅さを維持する一方、主要暗号資産は大幅安となり、ビットコインは500万円を大きく割り込み475万円台へ下落しました。その後週末にかけても弱含みの展開は続き、8日にビットコインは460万円割れ、イーサリアム(ETH)は35万円割れなどの状況となっています。

先週予想した通り慎重な市場展開となりましたが、FOMCで決定された政策は金融市場が覚悟をしていた引き締めのレベルではなく、今後のインフレの動向とFRBの対応が注目されます。

5/2-5/8のビットコインチャート
引用元:CoinGecko

今後の見通し

現在の暗号資産市場は、米国金融市場の動向に左右される状況が続いています。米国を中心とするインフレはウクライナ戦争、中国のゼロコロナ対応によるロックダウンなどの影響により長期化する可能性もあり、しばらくは慎重な展開が続くのではないかと考えます。

金融緩和で始まったバブルは金融引き締めで終了する

今回、新型コロナへの対応から始まった米国の金融緩和政策および米国政府による現金給付が2020年~2021年の米国株式市場および暗号資産市場などの上昇に繋がったと考えられます。特に株式市場については引き締めなどの影響による経済の減速と企業業績の悪化も考えられ、かなり厳しい局面の想定も必要と思われます。

かつて株式市場でドットコムバブルが終了した時を振り返ると、AppleやMicrosoftなどの実ある企業の株が買われた一方、インターネット関連でなくともインターネット関連のような名前を付けた株ならば中身を見ずに買われたような相場があり、その暴落前夜である1999年後半頃にはNASDAQ指数は短期間で倍近くまで上がった後、高値の3分の1まで下落していきました。

今回の株式市場の上昇はNASDAQ市場を中心とするハイテク株がけん引役を務めておりNetflixやAmazonなどの決算およびその後の急落を見ると、ドットコムバブルの下落を参考とし、今後の株式市場の下落について十分に覚悟しておく必要があると思われます。

暗号資産市場はどう動く

暗号資産については株式市場につられて軟調な、もしくは慎重な展開が続くと思われます。しかし、「企業業績の悪化」というような材料はなく株式市場が大きく下落しても、これからの影響は徐々に小さくなると見ています。

米国金利上昇に伴い米ドル高が続いています。米ドル高による自国通貨安からの逃避先として新興国での暗号資産への需要が高まっており、特にインドやメキシコで顕著なようです。今後インフレの長期化とともに米国金利上昇・ドル高が継続し、暗号資産への逃避がさらに拡大していくと思われます。

また米国経済の減速や米国企業の業績悪化が見えてくると、FRBによる金融引き締めも手綱を緩める場面が出てくると思われます。その時点からは金や暗号資産への資金流入が投資家から高まると思われ、暗号資産の新たな相場が始まるのではないでしょうか。

Profile ◉倉本 佳光(くらもと よしみつ)
慶應義塾大学法学部法律学科を卒業後、山一証券株式会社に入社し金融業界でのキャリアをスタート。
その後メリルリンチ日本証券株式会社、岡三アセットマネジメント株式会社で手腕を発揮。
これまでにリテール及び機関投資家への営業、上場企業の資金調達、IPO、M&Aなどの業務を担当し、現在では「株式会社J-CAM」にて総合的な金融コンサルタントとして活躍している。

                                   
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