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バイナンスがついに日本進出−前田真実果の“暗号資産投資”はじめてみました! Vol.107

前回はLINEのNFTマーケットプレイスの話題をとっかかりに、Web3.0領域の経済圏について考えてみました。
生まれた場所や住む場所に関わらず、つながりたいものとつながれる、そんな世界に想いを馳せました。皆さんがどのように感じるか知りたいなぁ。ぜひ読んでいただけるとうれしいです。

そして収支の方は3週連続のマイナスとなり、苦しい展開が続きます。
FTX騒動はある程度落ち着きを見せつつあるようですが、まだまだ終わりは見えません。ユーザーに対する暗号資産(仮想通貨)の返還についての問題など、すぐには解決しそうにありませんし、暗号資産(仮想通貨)全体への影響はあまりに大きすぎたと思います。
12月はアメリカで重要な経済指標の発表が数多く控えていますが、今週はどのような結果になったでしょうか?

今週はBitLendingに預け入れているビットコインも含め、約4,000円のプラスとなりました。久しぶりのプラスですね。やっとFTX騒動のパニックも落ち着いたというところでしょうか。

コラムを書いている時点でのビットコインは約235万円、イーサリアムは約17万5,000円ほどで推移しています。特にイーサリアムの価格上昇が収支に影響したといえるでしょう。
一部ではFTX騒動に落ち着きが見られたことで、投資家が買い戻す動きが強まっているとの指摘があります。その中で、ビットコインよりもボラティリティが高いアルトコインに投資をする傾向もあるそうで、ビットコインの次に時価総額のあるイーサリアムに資金が集まっているのだとか。

ちなみに、今週はアメリカを中心に多くの重要な経済指標が発表されたようなのですが、それよりも市場に大きな影響を与えたのはFRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長による講演でした。
パウエル議長は米ブルッキングズ研究所で行われた講演で、「12月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利上げペースを緩和させる可能性がある」と明言したのです。

FOMCではこれまで、4会合連続で0.75%の利上げを決定していました。それにより景気後退を招くとの懸念が高まっていたのですが、パウエル議長の発言によって0.5%の利上げにとどまる可能性が高まりました。
暗号資産(仮想通貨)市場を含む金融市場では歓迎ムードが高まり、NYダウでは前日比700ドル以上の上昇をみせました。

とはいえ、油断は禁物です。依然として来年以降に景気後退が顕著にみられる可能性は高いままのようで、この株高が持続するとは考えにくいです。また、今月中旬にはFOMCに加え、アメリカのCPI(消費者物価指数)の発表も控えています。金融市場的には2022年の終わりに向けてこの2つの大きな山を超える必要がありそうです。

世界最大手のバイナンスが日本進出

今週は国内の暗号資産(仮想通貨)ユーザーにとって非常に大きなニュースが舞い込んできました。あの世界最大手の取引所であるバイナンスが、ついに日本に進出すると発表したのです。

バイナンスが日本市場参入を発表 サクラエクスチェンジビットコインの全株式を取得

今回、バイナンスはすでに金融庁からライセンスを取得しているサクラエクスチェンジビットコインの株式をすべて取得するかたちで日本進出を果たしました。つまり、完全子会社化したということですね。
これに伴い、日本居住者はグローバルのバイナンスで新規ユーザー登録ができなくなりました。おそらく、サクラエクスチェンジビットコインのサービスをバイナンス仕様に整えてから、「バイナンスジャパン」のような名前に変更して新規ユーザー登録を再開するのだと思われます。

せっかくならバイナンスでアカウント作ってみようかなという方も多いのではと思いますが、すでにバイナンスの口座を開設している人からは思いのほか落胆の声の方が大きかったようです。
というのも、バイナンスが日本に進出したということは、あくまでも日本の規制に則ってサービスを展開するということ。そうなると、取り扱う暗号資産(仮想通貨)の銘柄なんかもある意味「日本仕様」になるわけです。つまり、どんなに前からバイナンスで取引をしていたユーザーでも、バイナンスで取り扱っている暗号資産(仮想通貨)の多くを取引することが不可能になる可能性があるわけです。

実際、破綻したFTXが今年2月に日本へ進出した際には、すでにFTXの口座を開設していた人たちの口座は現FTX Japanに移管され、グローバルのサービスにもアクセスすることができなくなりました。

これを知ってわたしは驚愕。実はわたしもこのコラムの企画外で、完全にプライベート的な感じでバイナンスの口座を開設しています。そこではちょこっとですが日本の取引所での取り扱いがない銘柄も持っています(こっそり)。えー、使えなくなっちゃうのー(泣)
なぜ日本のユーザーが海外の取引所を利用するかといえば、手数料の安さと取引の流動性の高さ、そして取り扱い銘柄の豊富さが理由だと思います。それに加え、日本では2倍までしかできないレバレッジ取引も、海外であれば高い倍率のものでできますので、効率良く利益を出したい人は当然海外を選びます。
今回、バイナンスが日本市場に参入したことで、国内の競争はさらに激化するものと言えます。また、バイナンスはNFTマーケットプレイスも展開していますし、独自のブロックチェーンなども開発しています。この業界のありとあらゆるものを網羅していると言っても過言ではないと思います。

日本仕様になってしまうとはいえ、他の日本の取引所も当然日本仕様なのですから、それなら様々に広がりがある世界最大手を選ぶ人が多いのではないでしょうか。CEOのCZさんも影響力があり目立つ人ですし。
そんな企業が進出することで、日本の暗号資産(仮想通貨)の制度面にも変化が起こるかも? と個人的には期待しています。

ユーザーを守るための堅固なチェック体制があるのは良いことですが、以前のコラムでもお伝えしたとおり、日本は世界に後れを取るまいと制度面での見直しを試みようとしています。その中で、世界的な企業の声は届きやすいのではないかと思います。

今回は以上となります。
FTX絡みの話題でもバイナンスがちらほらしていましたが、その直後に大きなニュースが来ましたね。
個人的には、わたしの口座がこれからどうなるのか不安ですが、日本の暗号資産(仮想通貨)業界全体にとって良い影響があることを望んでいます。

12月になり、2022年が終わるまであとわずかとなりました。まさかこんな相場で今年が終わろうとしているとは予想していませんでした……。これ以上の寒さは勘弁したいところです。

Profile ◉前田 真実果(まえだ まみか)
京都府出身。
レースクイーンやモデルとして活躍し、雑誌・ラジオ等に多数出演。
Adobeソフトの使用に長けており、Instagramなどで使えるGIF作成を日課としている。オリジナルキャラクターのGIFは2ヶ月で1,700万ビューを越える。

SNS
ブログ:Mamika Maeda Note
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