月間暗号資産

前田真実果の“暗号資産投資”はじめてみました! Vol.77

前回は電気自動車テスラ社のCEOイーロン・マスク氏によるTwitter買収を取り上げました。

マスクさんがテスラ社の株を売る可能性があり、その株価が落ちたということに触れましたが、今週に入りマスクさんが株を売却したことが分かりました。その額は1兆円以上になるそうです。やはりTwitterの買収に必要なお金を自社株で調達する算段だったのかな。
現在はテスラ社の株価も戻りつつあるとのことですが、株価含め、マスクさんとTwitterを取り巻く様々な動きは今後も話題になっていくでしょう。

それでは私の収支報告に移りましょう。
先週はFRB(米連邦準備制度理事会)の動向が影響し、約1万2,000円のマイナスとなりました。
アメリカでは金利を上げる動きが強まっていて、それを警戒して株式市場や暗号資産(仮想通貨)市場で売りの傾向が見られました。

このような状況のなか、私の収支はどうなったでしょうか?

今週はBitLendingで運用しているビットコインも含め、約7,000円のマイナスとなりました。
このコラムを書いている時点でのビットコインの価格は約480万円。先週と比べ20万円ほど下落しました。

収支に大きな影響を与えているFRBの動きですが、アメリカ現地時間5月3日・4日にFOMC(米連邦公開市場委員会)が行われ、その後パウエル議長が会見を行いました。この会見は新型コロナウイルスの感染拡大前には定例で行われていましたが、この2年ほどは中止されていたものでした。
注目されたのはやはり利上げについて。この発言次第では株式市場や暗号資産(仮想通貨)市場で大幅下落になりかねません。

会見では、当初の見込みどおり、0.5%という高い水準の利上げが発表されました。それでも、パウエル議長がさらに利上げを加速させることには否定的であったことことで、市場に一定の安心感をもたらしたこともあってか、株価は上昇。暗号資産市場もビットコインが一時510万円台に回復しました。

しかし、その翌日に暗号資産(仮想通貨)価格は急落。ビットコインは一時460万円台まで下落しました。利上げ動向こそ予想通りであったものの、米国のインフレ状況を見れば油断はできないと冷静になったのか、株式とともに大きく価格を落とすこととなりました。

今回のパウエル議長による発表は想定の範囲内に収まったという印象ですが、良い方向にぐっと舵が切られたわけではないと思いますので、引き続き包括的に状況を見守っていく必要があると感じています。

ゲームをプレイして暗号資産やNFTを得る「GameFi」って?

このコラムがアップされる頃にはゴールデンウィークももう終わりさしかかっていますね。皆さんはどこかに行ったり何か普段できないことをしたりされましたか? よかったら教えてくださいね。

さて、今年に入りひときわ耳にするようになった言葉として、「GameFi」というものがあります。
GameFiとは、ゲーム(Game)と金融(Finance)を掛け合わせた言葉。そして、このGameFiに関連してよく聞くのが「P2E」という単語です。

P2Eは「Play to Earn(プレー・ツー・アーン)」の略称で、「遊んで稼ぐ」という意味になります。

これらの言葉からもわかるように、昨今ではゲームで対価を得る仕組みが広まってきているようです。そのゲームというのがブロックチェーン上で作られた「ブロックチェーンゲーム」。
ブロックチェーンゲームでは、自分が使用するキャラクターや作成したアイテムなどがNFTとして残ります。そのため、たとえそのゲームが終了したとしても、アイテムやキャラのNFTは半永久的に残り続けます。
これまでのソーシャルゲームなどでは、苦労して集めたり育てたりしたキャラもゲームが終了してしまえば、すべて消えてしまい、何も残りませんでした。ゲーム内の成果はゲーム内にとどまり、現実にはかたちとして残ることがほとんどなかったと思います。しかしブロックチェーンを活用することで、ゲームと現実の世界の境界をつなぐことができるのです。

ゲーム内の成果が半永久的に残り、売買して自分の資産を増やすことができるということです。ブロックチェーンゲームでは、報酬としてそのゲーム独自の暗号資産(仮想通貨)やNFTを得ることができます。それらを取り扱っている暗号資産(仮想通貨)取引所やNFTマーケットプレイスなどで売買し資産を形成する。ゲーム実況などで収入を得ているYoutuberの方がたくさんいらっしゃると思いますが、ブロックチェーンゲームではもっと直接的に“稼ぐ”ことができる可能性があるということになります。

実際、東南アジアなどにおいてブロックチェーンゲームで生活をしている人が急増しているんだそうです。これらの人々は自分が所有しているNFTを用いて稼ぐ人もいれば、人からNFTを借りてゲームをプレイし収入を得る人もいるみたい。
ちなみに、このNFTを貸し出す仕組みとしては、Axie Infinity(アクシーインフィニティ)というゲームで採用されている「スカラーシップ制度」が最も有名なんだそう。
この制度では、自分が持っているNFTを貸し出して代わりにゲームをやってもらい、ゲームで得た報酬の何割かを取得することができるという仕組みになっています。つまり、プレイできない時間帯に貸し出せば効率よく報酬を得られるということですね。またレンタルしてゲームをする人も、より良いNFTを借りることができれば自分が得られる報酬も増えますので、お互いにとってWIN-WINな関係が築ける可能性が高いと考えられます。

近頃では様々なゲームが出てきていて、数年前と比べればそのバリエーションは豊富になったそう。
私が個人的に気になったのはSTEPN(ステップン)というゲーム。このゲームでは歩くだけで報酬を得ることができるみたいです。歩いて稼ぐ……なんて簡単なんだ! これは始めない手はない!……と思いましたが、プレイするためにはNFTスニーカーが必要で、その価格は日本円で約9万円とのこと。毎日歩いてその分の原資を回収することもできる……かもしれませんが、それはちょっと危険な考えのようにも思います。近頃そのシューズが高騰し、新規ユーザーにとっての参入障壁が高くなっているそうです。高いものだと、たった1足で300万円近い価格もするシューズがあるのだとか。

性能が高く高価なNFTであればあるほど得られる報酬も多くなりますが、さすがにこれだけの投資をして回収し切れるかは不安になりますね……。強くおすすめはしませんが、おもしろい試みだとは思いますので、気になった方は調べてみてください。もしプレイされた方がいらっしゃったら、ぜひご感想をお聞かせください(他力本願)!

これに限らず、今後様々なゲームが出てくると思いますし、早く始めればその分先行者利益を得られるものもあるでしょうから、私も何か良さそうなものを見つけたらプレイしてみたいなと思います。

NFTの価値って?

冒頭でイーロン・マスク氏とTwitterの話題に触れましたが、氏がTwitterアイコンをNFTに変えたことが話題になりました。
このコラムでも以前取り上げた「退屈なサル(Bored Ape Yacht Club)」のNFTです。オークションで億の額をつけた(101点の合計価格)人気作品です。しかしマスクさんはこの所有者でなく、いわゆる“拾い画”を使用したのです。もちろんこれは批判されましたが、マスクさんは「え、じゃあファンジブル(代替可能)じゃん」と言い返し(ツイート)ます。
NFT=ノン・ファンジブル・トークン(代替不可能)と言いながら、簡単に複製できてしまうじゃないかということを言いたかったようです。

やり方は別として、これって多くの人が思っていることではないのかなぁ……。NFTはおもしろいと思いますし、私自身NFTを出品してみたいとも思っています(あ、過去にトレカというかたちでNFT出品させていただいたこともあります)。所有権を証明できること、またクリエイターに利益をもたらすことという意味でも価値があると思いますが、このように簡単に所有者以外も所有者のあずかり知らないところでその作品を楽しむことができてしまう。ほかのデジタル作品との違いを曖昧とさせる原因であると思います。所有するって結局どういうことなの? と。

所有することは守ることと隔離することの二つの性質を持つと思います。そして所有者自身の所有欲を満たす価値がある。NFTは所有権を完璧にするものだからこそ所有欲を満たす担保になると考えます。そこに優位性があると思いますが、そのほかの性質についてはまだまだ付け入られる余地があるように思いますが、皆さんはどう感じられるでしょうか。

NFT市場はますます盛り上がりを見せています。広まっていくなかで、議論も深まっていくと思います。何十年後かに一体どのようなものとして認識されているか気になるところです。

 

今回は以上です。
2022年に注目すべきジャンルであるブロックチェーンゲーム、そしてGemeFiやP2Eをピックアップしました。

今の時代、“お金を稼ぐ”方法の枠が取り払われつつあるのかなと感じます。株や不動産や金だとか、投資商品に投資をすることで利益を出すのが当たり前でしたが、ゲームをして楽しみつつ利益を生み出していくという、新しい方法が築かれつつあります。

もちろん、まとまった資産を得るにはそれに見合った時間や労力が必要でしょう。スマホ一台あれば動画配信ができて、Youtubeで誰でも稼げる! といっても可能性があるというだけで、「誰でも簡単に」はあり得ないのと同じです。
それでも方法の多様性は歓迎すべきものだと思いますし、ブロックチェーンゲームで収入を得るプロゲーマーのような方々が現れる世の中というのもおもしろいと思います。今後広まっていく分野だと思いますし、ブロックチェーンゲームに関連した暗号資産(仮想通貨)の価格が高騰することもあるかもしれません。この分野も要チェックですね!

Profile ◉前田 真実果(まえだ まみか)
京都府出身。
レースクイーンやモデルとして活躍し、雑誌・ラジオ等に多数出演。
Adobeソフトの使用に長けており、DTPエキスパートなどを保有する「DTPできる系レースクイーン」。

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