月間暗号資産

前田真実果の“暗号資産投資”はじめてみました! Vol.80

前回はイベントグッズの特典としてNFTが付いてくるという国内のトピックに触れました。
グッズ本体に付いてくるNFT引換券に記されたコードを打ち込むことで受け取ることができるそうです。おまけでNFTが付いてくる……時代だなぁなんてぼんやりしていたらチコちゃんに叱られそうです(古い?)。
NFTの話題には事欠かない昨今。国内でもこういった取り組みは今後どんどん出てくるでしょうね。

さて、今週の収支について。
現状の暗号資産(仮想通貨)市場は引き続きパッとしません。
今月上旬に大きな問題となったステーブルコイン・TerraUSD(UST)の影響は薄れてきたものの、依然としてアメリカの株式市場の動向に左右されていると言ったところでしょうか。

ではさっそく今週の結果を見てみましょう。

BitLendingに預けているビットコインも含め、約1,500円のマイナスとなりました。つまり、先週とほぼ横ばいといったところですね。

コラムを書いている時点で、ビットコインは約377万円、イーサリアムは25万円前後となっています。
今週は今月3日と4日に行われたFOMC(米連邦公開市場委員会)の議事録が発表されるということもあり、暗号資産(仮想通貨)市場に限らず、金融市場全体が様子見といった状況でした。

この議事録は日本時間26日未明に公開され、結果的に市場の予想通りの内容に。特段サプライズともいえる情報がなかったため、アメリカの株式市場をはじめとした金融市場は安心感から買いが先行しました。

暗号資産(仮想通貨)もこの流れに乗るものかと思われましたが、なかなか調子が上がってきません。中長期で考えればまだインフレ懸念などの問題は改善されておらず、リスク回避の動きから下落。良くて横ばいといったところで、厳しい状況は続きます。

ネガティブな流れとなっていますが、様々な記事を読んでいるとここらで底固めをするかもしれないとの話もありますし、前向きな気持ちで価格を追いかけていきたいですね。

暗号資産の影響力を再認識する事例

近頃、暗号資産(仮想通貨)の影響力が大きくなっているなと感じる事例がいくつかあります。
まず一つ。アメリカに本社を構える暗号資産取引サービス大手コインベースが、フォーチュン(Fortune)誌の企業番付「フォーチュン500」に選出されたニュースです。
ご存じの方も多いと思いますが、フォーチュンはアメリカで発行されている著名なビジネス誌。1929年に創刊された由緒ある雑誌です。
そしてフォーチュン500はフォーチュン誌が年に1度発表する全米上位500社の年間収益をランキング形式で発表するもの。1955年から始まり、今年で68回を迎えるそうです。今回コインベースは、この歴史あるランキングに暗号資産(仮想通貨)企業として初めて名を連ねました。

このランキングでは64億ドル(約8,140億円)の収益を上げている企業が掲載される基準になっていたそうで、コインベースは78億ドル(約9,920億円)の収益を上げ、全体の437位でランクインしました。
日本にも拠点があるコインベースですが、昨年4月には米ナスダックに株式上場を果たしました。こちらも暗号資産取引所としては初めてのこと。

これだけの収益を上げた要因としては、株式上場の影響が大きかったこともありますが、何よりも暗号資産(仮想通貨)取引が活発に行われたことにあります。
暗号資産(仮想通貨)取引所の主な収益源はなんと言っても取引手数料です。売買が多く行われれば行われるほど、取引所は潤っていきます。

コインベースは世界的な暗号資産(仮想通貨)取引所ですし、昨年は暗号資産(仮想通貨)にとって飛躍的な年でした。そう考えれば今回のランクインはある意味当然と言える結果かもしれません。冒頭のNFTの例ではありませんが、これまで存在しなかったものが歴史的なところに名を連ねるというのは時代だなぁと。もう少し先の世ではこの数年が大きなターニングポイントの年として記述されているかもしれませんね。

そして2つ目の事例として、こちらもアメリカの雑誌になりますが、米TIME誌が毎年発表する「世界で最も影響力のある100人」に、暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの創始者でありCEOであるサム・バンクマンフリードさんが選出されました。ちなみに日本でもなじみある著名人では、昨年、メジャーリーガーの大谷翔平選手やプロテニスプレイヤーの大阪なおみ選手、そして建築家の隈研吾さんが選出されました。
このバンクマンフリードさん、あのアップルのCEOであるティム・クックさんと同じ「TITANS(重要人物)」として選出されています。つまり、世界で今最も注目すべき人物として選ばれたんですね。

バンクマンフリードさんの持つ資産は日本円にして2兆5,000億円を超えると言いますが、その生活は非常に質素なものなんだそう。会社で寝泊りしたり、自分のお金のほとんどを寄付行為に充てていることでも知られています。
TIME誌では、こうした行動も絶賛されました。そのなかで、暗号資産(仮想通貨)を広める第一人者として注目すべき存在と紹介されています。

これらの事例はいずれも暗号資産(仮想通貨)が社会的な地位を得るうえで非常に重要ですし、すでに無視できない存在として認知拡大していることを裏づけるものと言えるでしょう。
今回紹介したものはどちらもアメリカ発のものでしたが、日本発でもこういった事例が出てくると国内の暗号資産(仮想通貨)業界ももっと盛り上がるんだろうなと思います。

 

今回は以上です。
暗号資産(仮想通貨)が持つ影響力が日に日に大きくなっていることを感じます。
投資分野のなかでも暗号資産はとくに投機的な印象が強く、なんとなく手を伸ばしづらいと感じている方が多くいらっしゃると思います。先日のテラUSDの大暴落の例なんかは、「やっぱり暗号資産って怖い……」と悪く印象付けてしまう要因になるのではと、とても残念に思いました。価格が下がった(ほぼ無価値状態)という事実にと言うより、すごく雑な表現にはなりますが、別に誰も責任を取らなくていいんだー……という印象が残り、それに対する不信感です。

しかし暗号資産(仮想通貨)の価値がそれでなくなるわけではありません。
NFTもそうですが、世間の目に触れるようになり、それが便利なものとして理解されていけば、必然的に周辺環境も整えられていくと思います。ここ何年かで急にその名を聞くようになったファッションブランド(私が疎いだけだったらすみません)、バレンシアガが暗号資産決済を導入するというニュースなんかも最近ありましたね。
これからの時代の価値観に合うお金のかたちとして、暗号資産(仮想通貨)への理解を深めることはムダではないと思います。

収支のほうは厳しい状況が続きますが、パッとしない状況が変わる時は絶対来ます(絶対とか言い出したら終わり)! ……この時代を生き残る術の一つとして、来週もぜひ一緒にお勉強してまいりましょう。

Profile ◉前田 真実果(まえだ まみか)
京都府出身。
レースクイーンやモデルとして活躍し、雑誌・ラジオ等に多数出演。
Adobeソフトの使用に長けており、DTPエキスパートなどを保有する「DTPできる系レースクイーン」。

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