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国税庁、暗号資産税制に関する情報レポートを22日に改訂

国税庁は22日、「暗号資産に関する税務上の取扱について」という情報レポートを改訂した。令和3年6月30日付けで発表されたものを若干改訂したものとなる。

大方は前回通りだが、今回は「6,マイニング、ステーキング、レンディングなどにより暗号資産を所得した場合」の部分が加筆された。前回のレポートではこの部分がなかったためにどういう扱いとなるか、が注目されていた。

マイニング、ステーキング、レンディングなどにより暗号資産(仮想通貨)を取得した場合、その取得した時点の価格(時価)が課税対象となり、マイニング等に掛かった費用については、経費扱いすることができる、となった。

多くの「億り人」と呼ばれる長者を生んできた暗号資産。同時に今年も多くの脱税事件があった。記憶に新しいところでは、暗号資産エイダ(ADA)を巡る脱税事件だ。関東を中心に大規模な税務調査が行われ、数十人が約14億円の申告漏れを指摘、摘発された。そのなかには、ADAをビットコインなどの通貨に換えておけば税金が掛からないと聞いたなどとネットに流布する節税の誤った情報を鵜呑みにした者も複数人いたという。

暗号資産のボラティリティの高さは株や外為と比べて非常に高く、一瞬で財を築くことも希ではない。今年の例で言えば、テスラ社CEOのイーロン・マスク氏が度々Twitterでツイートしたのもあり、3月から10月にかけて約8000倍もの価格上昇を見せたシバイヌコイン(SHIB)がある。理論上、2万円分のポジションで数ヶ月のうちに億り人が誕生したことになる。

国税局はここ数年、暗号資産に対する監視の目を厳しく光らせている。暗号資産の取引を含め、給与所得以外で、20万円以上の利益や所得があった場合には確定申告が必要だ。

現状、暗号資産で得た利益は雑所得になり総合課税に分類され、税率は最大で45%が適用される。さらに住民税も10%が掛かる。また、証券取引等と違い損失の翌年への繰り越しは認められていない。海外、特に米国や英国は分離課税(税率20%)適用されているので、税制改正を要望する投資家は非常に多い。

画像:Shutterstock