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警戒が必要となる米CPI発表−今週の暗号資産を読み解く。

暗号資産市場の動向(2/6-2/12)

先週の暗号資産(仮想通貨)市場は前半はもみ合いとなりましたが、2月3日に発表された雇用統計の結果を受けて上値の重い展開が続きました。9日にはFRB高官によるタカ派コメントが相次ぎ、マーケットは調整を余儀なくされました。

また、SECがクラーケンによるステーキング・サービスを違法な証券取引としたことから、10日には暗号資産市場全体がさらに重い展開となり、週末を迎えています。クラーケンはSECとすでに和解しており、ステーキング・サービスについては米国ユーザー向けのものについて終了すると発表しています。

今週のイベント

14日(火)に発表される米国1月CPIは、前年同月比では伸びが鈍化する見通しですが、前月比では3ヵ月ぶりに加速する見込みとなっています。状況によっては先週の雇用統計発表以来上昇している債券利回りがさらに上昇する可能性もあり、十分に注意が必要と思われます。

FRB高官のタカ派発言に見られるように、インフレに対する金融当局のスタンスは引き続き警戒感を持っていくと考えられます。投資に当たっては株式、債券、暗号資産ともに慎重な態度が必要と考えています。

Profile ◉倉本 佳光(くらもと よしみつ)
慶應義塾大学法学部法律学科を卒業後、山一証券株式会社に入社し金融業界でのキャリアをスタート。
その後メリルリンチ日本証券株式会社、岡三アセットマネジメント株式会社で手腕を発揮。
これまでにリテール及び機関投資家への営業、上場企業の資金調達、IPO、M&Aなどの業務を担当し、現在では「株式会社J-CAM」にて総合的な金融コンサルタントとして活躍している。