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注視すべき米大統領の一般教書演説−今週の暗号資産を読み解く。

暗号資産市場の動向(1/30-2/5)

先週の暗号資産(仮想通貨)市場は引き続きもみ合い状態が続きました。ビットコイン(BTC)はドルベースで2万4000ドル台へ乗せる場面もありましたが、上値は重く押し返されもみ合いが続いています。

2月1日にFOMCが開かれFF金利が0.25%引き上げられましたが、会議後のパウエル議長のコメントでは「今後複数回の金利引き上げを行う」とあったものの、ディアスインフレが始まったとの認識があり、マーケットの緩和期待やリスクオンのムードを否定しませんでした。その結果、株式市場ではS&P500やNASDAQなどは堅調な動きを見せました。

しかし、2月2日の取引終了後に発表されたアップル、アマゾン、アルファベットの決算が振るわず週末の上値を抑える形となり、さらに3日に発表された雇用統計で失業率が1969年5月以来の低水準となる3.4%だったことや、非農業部門就業者数が51.7万人増加でサービス部門を中心に雇用の堅調さが示されて緩和ムードが後退しました。

今週のイベント

今週は経済指標の発表で注目されるものは少ないですが、7日にバイデン大統領による一般教書演説があります。今回の演説は次の大統領選に向けたスタートとして位置付けられるものとなりそうですが、ウクライナ問題や債務上限問題のほか景気刺激策などについて取り上げると思われます。演説の内容やトーンによってはマーケットへの影響もあるかもしれません。

今週のマーケットは基本的には、先週末の雇用統計の結果を受けて慎重な展開になるのではないかと思います。株価はやや買われすぎでいる様子もあり、暗号資産もビットコインを始めとして上値の重さがありましたので、調整気味の週になるかもしれません。

Profile ◉倉本 佳光(くらもと よしみつ)
慶應義塾大学法学部法律学科を卒業後、山一証券株式会社に入社し金融業界でのキャリアをスタート。
その後メリルリンチ日本証券株式会社、岡三アセットマネジメント株式会社で手腕を発揮。
これまでにリテール及び機関投資家への営業、上場企業の資金調達、IPO、M&Aなどの業務を担当し、現在では「株式会社J-CAM」にて総合的な金融コンサルタントとして活躍している。