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今年の市況を占う重要な1週間−今週の暗号資産を読み解く。

暗号資産市場の動向(1/23-1/29)

先週の暗号資産(仮想通貨)市場は小幅のもみ合いに終始しました。

米国では24日に製造業PMI、26日に10-12月期GDP、27日にPCEデフレーターの発表などがありました。製造業PMIは予想や前回を上回り、10-12月期GDPは+2.9%と、前回の7-9月期の+3.2%からは若干落ちましたが予想の2.6%を上回りました。またPCEデフレーターもほぼ予想通りでした。GDPの個人消費が+2.1%と予想や前回を下回ったことに留意するコメントなどもありましたが、週を通じて発表された経済指標を好感する展開となり、落ち着いた米国株式市場の動きとなり、NYダウ平均は週間で約600ドル上昇しています。

こうした株式市場の動きを受けて暗号資産市場も落ち着いた動向となり、GDPが発表された26日にはビットコイン(BTC)が2万3000ドル台、イーサリアム(ETH)が1600ドル台へ乗せる展開となりました。その後もしっかりとした動きを見せています。

【今週のイベント】

今年のマーケットを占う重要な1週間

今週はFOMCが開催され、終了後のパウエル議長による発表とコメントが注目されます。利上げ幅がマーケットの予想通り0.25%なのか、パウエル議長のコメントが落ち着いた内容になるのか、といったところが焦点となりそうです。利上げ幅については0.25%になる可能性が高いと見られていますが、予想通りであった場合に材料出尽くしとして株式市場などでは売り圧が高まる可能性もあり、マーケットの動向が注目されます。

また今週も多くの企業による決算発表が予定されており、1月31日にはキャタピラー、マクドナルド、エクソンモービル、GMなどの大手有名企業、その後2月1日にメタ、2日にアップル、アマゾン、アルファベットといったIT大手の発表がありますので、マーケットを左右する材料が目白押しとなります。

ある意味で今週は今年のマーケットを占う重要な週となるかもしれません。

Profile ◉倉本 佳光(くらもと よしみつ)
慶應義塾大学法学部法律学科を卒業後、山一証券株式会社に入社し金融業界でのキャリアをスタート。
その後メリルリンチ日本証券株式会社、岡三アセットマネジメント株式会社で手腕を発揮。
これまでにリテール及び機関投資家への営業、上場企業の資金調達、IPO、M&Aなどの業務を担当し、現在では「株式会社J-CAM」にて総合的な金融コンサルタントとして活躍している。