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好調に上昇も今週から注意−今週の暗号資産を読み解く。

暗号資産市場の動向(1/9-1/15)

先週の暗号資産(仮想通貨)市場は久しぶりに堅調な地合が続きました。

先週は12日に12月の米CPI(消費者物価指数)と13日にミシガン大学消費者信頼感指数の発表がありました。米CPIは前年同月比+6.5%と、11月の+7.1%からさらに減速し、ミシガン大学消費者信頼感指数も64.6と予想の60.6を下回るとともに前月の59.7から大きく改善した結果となりました。また1年先のインフレ期待も4.0%と予想の4.3%や前月の4.4%&を下回りました。

こうしたインフレの落ち着きと景況感の改善を示す内容から景気への悲観的な見方が後退し、米国株式市場はリスクオン・ムードが広がり、NYダウ平均が12日に+216ドル、13日に+113ドルと上昇するなど堅調な展開となりました。米国株式市場は年末の終値からNYダウ平均で約3.5%、S&P500で約4.2%、NASDAQで約5.9%の上昇となっています。

米国株式市場を中心としたリスクオン・ムードは、暗号資産市場へも広がりを見せ、ビットコイン(BTC)はドルベースで12日に1万8000ドル、13日に1万9000ドルそして14日には2万ドルへ乗せる動きとなりました。このような動きは、アルトコインやNFTなどへも広がりを見せています。

【今週のイベント】

価格上昇も今週から注意が必要

先週はリスクオン・ムードの広がりから大きく株価と暗号資産が上昇しましたが、今週から米国企業の10-12月期決算発表があり、S&P500の予想では前年同期比-4.4%となっています。昨年9月に発表された見通し+3.5%から大きく下方修正される内容です。これからの決算発表を受けて、現在のリスクオン・ムードを続けられるのか注目されるところとなります。

予想される企業業績から現在の株式市場は、買われ過ぎとも考えられますので、今週から来週にかけて、株式市場には十分な警戒が必要ではないでしょうか。

また暗号資産市場についても株式市場から離れて独自の展開へ向かうことができるのか注目されるところとなります。

Profile ◉倉本 佳光(くらもと よしみつ)
慶應義塾大学法学部法律学科を卒業後、山一証券株式会社に入社し金融業界でのキャリアをスタート。
その後メリルリンチ日本証券株式会社、岡三アセットマネジメント株式会社で手腕を発揮。
これまでにリテール及び機関投資家への営業、上場企業の資金調達、IPO、M&Aなどの業務を担当し、現在では「株式会社J-CAM」にて総合的な金融コンサルタントとして活躍している。