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年末まで調整色の強い動きに−今週の暗号資産を読み解く。

暗号資産市場の動向(12/12-12/18)

先週の暗号資産(仮想通貨)は、米国株式市場の動向に左右された動きとなりました。

NY株式市場は週初前週の上昇不足気味の印象からかNYダウ平均で500ドルを超す上昇から始まり、13日の米国11月のCPI(消費者物価指数)が前年同月比+7.1%と、予想と前月の結果を下回るものとなったことで、インフレのピークアウト感も出て13日も堅調な展開となりました。

しかし、翌14日にFOMC(連邦公開市場委員会)を受けて0.5%の利上げが発表され、利上げ幅は予想通り0.75%から減速となりましたが、パウエルFRB議長の会見でのコメントから株式市場の動きは弱含み、翌15日には発表された11月の米国小売売上高が前月比▲0.6%と予想の▲0.1%を大きく上回る減少となったのを嫌気してNYダウ平均は764ドルの大幅な下落となりました。株式市場は週末も引き続き調整を続け終了しました。

暗号資産はこうした動きに連動し、週央にかけてビットコイン(BTC)が243万円台、イーサリアム(ETH)が18万円台まで上昇する動きを見せましたが、後半は調整色を強めそれぞれ228万円台、16万円台での動きとなりました。

【今週のイベント】

今週の展望

今週も米国で多くの経済指標の発表がありますが、クリスマスを控えている時期であり、またFRBの来年に向けてのスタンスが明確となり、今後の米国および世界経済の減速が強く懸念される状況なだけに、金融市場全般および暗号資産市場も調整的なマーケットの動きになると思われます。

徐々に来年のマーケットの見通しに立ち、新たなポジション作りが始まりつつあると思います。

Profile ◉倉本 佳光(くらもと よしみつ)
慶應義塾大学法学部法律学科を卒業後、山一証券株式会社に入社し金融業界でのキャリアをスタート。
その後メリルリンチ日本証券株式会社、岡三アセットマネジメント株式会社で手腕を発揮。
これまでにリテール及び機関投資家への営業、上場企業の資金調達、IPO、M&Aなどの業務を担当し、現在では「株式会社J-CAM」にて総合的な金融コンサルタントとして活躍している。