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米中間選挙とCPI発表が焦点−今週の暗号資産を読み解く。

暗号資産市場の動向(10/31-11/6)

先週の暗号資産(仮想通貨)市場は比較的堅調な展開で推移しました。

11月3日にFOMC(米国連邦公開市場委員会)を控えていたこともあり、週初から株式市場は調整色を強めていましたが、暗号資産市場ではアルトコインが堅調であったことからビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などの主要銘柄もしっかりとした動きを見せました。11月1日にはビットコインが303万円台、イーサリアムが25万円台まで進んでいます。

3日のFOMC後はパウエルFRB(連邦準備制度理事会)議長のコメントに対する判断が強弱入り乱れ、株式市場は大きく乱高下する展開となりましたが、暗号資産は落ち着いており、4日に株式市場が上昇すると暗号資産市場もビットコインがドルベースで2万ドル台へ乗せ、円ベースでも304万円台まで進み、全体としてもしっかりした動きを見せて週を終えています。

株式市場は当初目論んでいたFRBの金利引き上げペース鈍化による株式市場の上昇を期待していましたが、そこまでの展開とはなりませんでした。暗号資産市場は株式市場とは異なった動きを見せており、今後に期待を持たせる展開で終えています。

【今週のイベント】

今週は8日に米国で中間選挙があり、その結果によりバイデン政権の今後の運営が大きく影響を受けることとなりますので、大変重要な週となります。また10日には米国CPI(消費者物価指数)の発表もあります。先週末に発表された雇用統計では、非農業部門就業者数が26.1万人と9月の31.5万人から低下した一方、失業率は3.7%と0.2%上昇し、減速を示す結果でしたので、CPIの数値はFRBとしても大変注目するものとなるはずです。

暗号資産市場は、米国の中間選挙とCPIの動向をにらみながら、徐々に切り上げてきた下値を固めていくのか注目されます。

Profile ◉倉本 佳光(くらもと よしみつ)
慶應義塾大学法学部法律学科を卒業後、山一証券株式会社に入社し金融業界でのキャリアをスタート。
その後メリルリンチ日本証券株式会社、岡三アセットマネジメント株式会社で手腕を発揮。
これまでにリテール及び機関投資家への営業、上場企業の資金調達、IPO、M&Aなどの業務を担当し、現在では「株式会社J-CAM」にて総合的な金融コンサルタントとして活躍している。