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相次ぐ重要指標発表に左右される可能性−今週の暗号資産を読み解く。

暗号資産市場の動向(10/24-10/30)

先週の暗号資産(仮想通貨)市場は米国金融市場の引締めスピード緩和に対する期待感によりしっかりした動きを見せていました。

先週発表された経済指標では週初24日、ユーロ圏9月PMIが48.4と、過去27ヶ月で最低を記録。また、25日には米国8月FHFA住宅価格指数が前月比-0.7と2ヶ月連続で低下と景況感の減速を示唆する内容があり、マーケットは12月の利下げ幅に対して引締めスピードの緩和を期待する動きを強めました。

その後、27日には米国7-9月期GDPが前期比+2.6%(年率換算)と発表されましたが、大きな下押しもなく、28日のアップルの決算が堅調であった事から株式市場は大きく上昇して終え、暗号資産もその後押しを受けてしっかりした動きを見せました。

暗号資産市場は、景気減速を示すデータに対する抵抗力を見せるというより、金融市場全体の後押しを受けて上値へチャレンジする動きを見せた週となりました。

相次ぐ重要指標の発表

今週は重要な経済指標が数多く発表されます。下記はそのスケジュールとなります。

今週発表される指標の中でも特に注目されているのが米国連邦公開市場委員会(FOMC)になります。11月の利上げ幅は0.75%になると思われるものの、12月以降の引締めについてどのようなスタンスを示すのかが大きな注目点となります。

また、マーケットは引締めスピードを緩めるのではないかと考えています。もしその方向に進むので有れば年末に向けて株式市場の一段高と暗号資産の上値トライが見られるかもしれません。

来週は米国中間選挙を控えており、大変注目される週になります。こうしたイベントを考慮し、暗号資産市場は依然として株式市場などの動きに左右される時期が続くものと考えられます。

Profile ◉倉本 佳光(くらもと よしみつ)
慶應義塾大学法学部法律学科を卒業後、山一証券株式会社に入社し金融業界でのキャリアをスタート。
その後メリルリンチ日本証券株式会社、岡三アセットマネジメント株式会社で手腕を発揮。
これまでにリテール及び機関投資家への営業、上場企業の資金調達、IPO、M&Aなどの業務を担当し、現在では「株式会社J-CAM」にて総合的な金融コンサルタントとして活躍している。