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11月のFOMC見据えた暗号資産市場の動き−今週の暗号資産を読み解く。

暗号資産市場の動向(10/17-10/23)

先週、米国ではNY連銀製造業景気指数、鉱工業生産9月、住宅着工件数9月、中古住宅販売件数9月などの発表がありましたが、これらにはあまり反応を見せる事はなく、株式市場では英国の税制改正全面撤回やトラス英国首相の辞任発表に反応しリスクオフの動きを見せる場面がありました。また週末には金融緩和観測が頭をもたげ株式市場は反発をして終えています。

一方、暗号資産市場はビットコイン(BTC)を中心にほぼ横ばいの動きになりました。

ドル円の為替相場が20日から21日にかけて1ドル=150円台に乗せた場面もあり、円ベースでは為替の動きに左右される状況でした。ビットコインは週初290万円をつけ週前半は288万円前後、後半は283万円前後でした。イーサリアム(ETH)は同じような値動きで前半19万5,000円前後、後半19万3,0000円前後でした。株式市場が比較的しっかりしていた事もあり、落ち着いた動きで終始した様子と言えるでしょう。

今週のイベント

このような発表が予定されていますが、来月2日には米FOMCにおいて次の利上げが想定されています。そのため、米国の金融市場は基本的にFOMCを意識した慎重な展開になると思われます。

ただし、欧州の景気や物価動向は米国にも影響が考えられますし、日本の物価動向も今後の為替への影響を踏まえ注視が必要と考えています。

暗号資産市場はどのように動く?

暗号資産については引き続き米国の金融市場に左右される展開が続くものと見られます。特にFOMCや米CPI(消費者物価指数)の発表前後では暗号資産の価格も乱高下する傾向が強まっているため、今回においてもそうした動きを警戒する動きが広まる可能性が高いでしょう。

これを踏まえ、今週から来週にかけて引き続き暗号資産の抵抗力が試される展開が続くものと考えています。

Profile ◉倉本 佳光(くらもと よしみつ)
慶應義塾大学法学部法律学科を卒業後、山一証券株式会社に入社し金融業界でのキャリアをスタート。
その後メリルリンチ日本証券株式会社、岡三アセットマネジメント株式会社で手腕を発揮。
これまでにリテール及び機関投資家への営業、上場企業の資金調達、IPO、M&Aなどの業務を担当し、現在では「株式会社J-CAM」にて総合的な金融コンサルタントとして活躍している。