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抵抗力が試される暗号資産市場−今週の暗号資産を読み解く。

BOX展開の暗号資産

ここ2週間の暗号資産(仮想通貨)市場の動きは、米国経済指標の発表とそれに反応した米国金融市場の動きをにらみながら、短期的に下落する場面も見られたものの、一言で表すならばボックス的な展開でした。

10月13日に米国消費者物価指数(CPI)が発表され、前年同月比+8.2%と前月の+8.3%より鈍化したもののm予想の+8.1%を上回り、引き続きインフレの堅調さが印象づけられ株式市場は13-14日と乱高下となりました。暗号資産も後追いをする形で13日はビットコイン(BTC)が大きく下落しましたが、14日には反発を見せています。

こうした上下がありましたが、ビットコインで280万円台(ドルベース19,000ドル台)、イーサリアム(ETH)で19万円前後、XRPで70円前後に終始しました。

今週のイベント

今週も各国で多くの経済指標について発表があります。下記が重要視すべきイベントとなります。

中国共産党大会

今週は16日から中国共産党大会が開催されています。すでに習近平総書記による演説がありましたが、ゼロコロナ政策や住宅市場政策について方向転換を示唆することはなく、今後の景気浮揚に繋がる新たな材料の提供はありませんでした。目標とした成長率から大きく乖離していると見られる中、18日には7-9月期のGDP発表があることから、今後について注目されるところとなります。

英国の方針転換

一方、英国ではクワーテング財務相を更迭し大幅減税の一部撤回を発表しました。英国内ではこれを好感している様子ですが、今週発表されるCPIや小売売上高の結果とともに引き続き目が離せない状況が続きそうです。

抵抗力が試される暗号資産

世界経済の牽引役である中国と欧州の経済減速は、これから景気減速を本格化させようとする米国へ大きく影響を及ぼすと考えられます。当然株式市場などへの影響もあると思われ、投資市場全体に下落圧力がかかると考えられる中で、暗号資産市場の抵抗力が注目されることになります。

Profile ◉倉本 佳光(くらもと よしみつ)
慶應義塾大学法学部法律学科を卒業後、山一証券株式会社に入社し金融業界でのキャリアをスタート。
その後メリルリンチ日本証券株式会社、岡三アセットマネジメント株式会社で手腕を発揮。
これまでにリテール及び機関投資家への営業、上場企業の資金調達、IPO、M&Aなどの業務を担当し、現在では「株式会社J-CAM」にて総合的な金融コンサルタントとして活躍している。