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FOMCの重要材料となる雇用統計を注視−今週の暗号資産を読み解く。

暗号資産市場の動向(9/26-10/2)

先週の暗号資産(仮想通貨)市場は、米国の金融市場の動きから離れるチャレンジの動きを見せました。26-27日と30日にビットコイン(BTC)が2万ドルへのチャレンジを見せ、イーサリアム(ETH)、XRPといった中核銘柄もそろって堅調な動きを見せました。

この間、26日にコンファレンスボードの消費者信頼感指数の発表で95.7と、1年半ぶりの低水準で3ヵ月連続の低下というニュースがありましたが株式の下落に引きずられることなく堅調でした。一方、28日には一転して株式市場が大きく上昇する中で暗号資産は調整となっています。30日も堅調な動きを見せましたが、当日発表されたPCEデフレーターが予想を上回り株式市場が大きく崩れると、その後暗号資産も調整となっています。

今週のイベント

今週末にはFRBが注目する雇用統計の発表があり、次回のFOMC(米国連邦公開市場委員会)までには今回の発表しかありませんので、その状況により11月の利上げ幅が決まってくると思われます。それだけに週全般の動きとしては、いくつかの発表があるものの全体として小動きになるのではないでしょうか。

その中で暗号資産が先週同様に独自の動きを見せていくのか注目されます。

CFTCやSECの動き

先週9月28日に、CFTC(米国商品先物取引委員会)のRostin Behnam委員長が「CFTCが暗号資産の規制を主導すれば業界に大きなメリットをもたらす可能性がある。暗号資産の発展のためには十分に整備された規制が必要で、CFTCが規制する市場ではビットコイン価格が2倍になる可能性がある」と述べています。

こうした発言もある中で、米国では暗号資産やステーブルコインに関する規制整備も進められています。中でも、SEC(米証券取引委員会)のGary Gensler委員長は先月取引の承認方式がPoS(プルーフ・オブ・ステーク)である暗号資産について「証券規制に該当する可能性がある」と述べており、こちらの進展も気になるところです。

引き続き規制の動きについて、米国の動向が注目されます。

Profile ◉倉本 佳光(くらもと よしみつ)
慶應義塾大学法学部法律学科を卒業後、山一証券株式会社に入社し金融業界でのキャリアをスタート。
その後メリルリンチ日本証券株式会社、岡三アセットマネジメント株式会社で手腕を発揮。
これまでにリテール及び機関投資家への営業、上場企業の資金調達、IPO、M&Aなどの業務を担当し、現在では「株式会社J-CAM」にて総合的な金融コンサルタントとして活躍している。