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FOMC見据え慎重な動きに−今週の暗号資産を読み解く。

暗号資産市場の動向(9/5-9/11)

先週の暗号資産(仮想通貨)市場は、米国の株式、商品、債券などの各市場の動きを見ながら、比較的堅調な動きとなっています。

米国金融市場では13日発表予定の消費者物価指数(CPI)に注目が集まる中で、商品市場では原油、金とも小動きの展開、債券市場では10年債利回りが3.3%周辺へ上昇、株式市場では自律反発的な展開から3指数とも週末に向けて3%前後の上昇となりました。

暗号資産は週初ビットコイン(BTC)がドルベースで19000ドルを割れましたが、翌日には回復し、9日(金)には株式市場の回復とともに21000ドル台まで進み、その後もみ合いとなっています。円ベースでも週初の277万円台から306-308万円程度まで上昇しています。イーサリアム(ETH)は22万円台から25万円台へ、リップル(XRP)は45円台から50円台へ進んでいます。

今週(12日~16日)のイベント

今週は、米国の消費者物価指数が最も注目されますが、主要国の物価のほか重要な景気指標も数多く発表されるだけに各国の金融政策、景気対策などにも注目されます。なお、すでに欧州中央銀行(ECB)は先週0.75%の金利引き上げを発表しており、英国中央銀行は服喪期間のため、0.5%の金利引き上げが予想される金融政策発表を22日へ延期しています。

米国FRBは20-21日のFOMC(米国公開市場委員会)で金利引き上げを予定しており、その幅は0.75%と見られています。今週は各国の経済指標を見ながら来週のFOMC後の展開を想定する慎重なマーケットの動きとなると思われます。暗号資産市場も同様な展開を予想しています。

Profile ◉倉本 佳光(くらもと よしみつ)
慶應義塾大学法学部法律学科を卒業後、山一証券株式会社に入社し金融業界でのキャリアをスタート。
その後メリルリンチ日本証券株式会社、岡三アセットマネジメント株式会社で手腕を発揮。
これまでにリテール及び機関投資家への営業、上場企業の資金調達、IPO、M&Aなどの業務を担当し、現在では「株式会社J-CAM」にて総合的な金融コンサルタントとして活躍している。