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暗号資産と物価高の関係性 − 今週の暗号資産を読み解く。

暗号資産市場の動向(8/29-9/4)

先週の暗号資産(仮想通貨)は、週末に米国の雇用統計発表を控えて慎重な値動きに終始しました。
米国株式市場では、今後の景気減速に対する警戒感などから軟弱な地合が続き、NYダウ平均▲3.0%、S&P500▲3.3%、Nasdaq▲4.2%と3指数とも週末に向けて下値を切り下げるような展開となりました。暗号資産はこうした株式市場の影響を受け、ビットコイン(BTC)は270万円台後半でのもみ合い、イーサリアム(ETH)は21万円台のもみ合いとなりました。

今週発表される経済指標とイベント

今週もいくつかの発表などがあり、下記の経済指標やイベントに注目をしていただければと考えています。

今月は来週13日(火)に米国の消費者物価指数(CPI)の発表、21日(水)にFOMCが控えており、米国内の金融市場は慎重な動きが続くものと思われ、暗号資産市場も小動きとなるのではないでしょうか。

しかし、今後も米国の利上げは予定されており、これからの景気と企業業績の動向が投資家の行動へどのように影響を与えていくのかが各市場へのポイントになってくるかと思います。

そうした中で、暗号資産には株式のように業績による決算の増減益や商品のように景気動向による需給の動きなどがないだけに、どのような材料が暗号資産の値動きに影響を与えるのか注目していきたいと思います。

物価と暗号資産の関連性

私は年初より商品の価格に注目をしており、その中でも金価格がインフレの進展とともに注目度を高めるのではないかと考えてきました。現在、商品価格は全般的に落ち着いた動きとなっていますが、冬場に向かっての原油、ガスをはじめとした商品の動向は引き続き注意が必要と考えています。

そして、これらは暗号資産にどの程度影響を与えるのでしょうか。引き続きビットコインを中心に注視していきたいと思います。

Profile ◉倉本 佳光(くらもと よしみつ)
慶應義塾大学法学部法律学科を卒業後、山一証券株式会社に入社し金融業界でのキャリアをスタート。
その後メリルリンチ日本証券株式会社、岡三アセットマネジメント株式会社で手腕を発揮。
これまでにリテール及び機関投資家への営業、上場企業の資金調達、IPO、M&Aなどの業務を担当し、現在では「株式会社J-CAM」にて総合的な金融コンサルタントとして活躍している。