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パウエル議長の講演控え当面様子見か-今週の暗号資産を読み解く。

暗号資産市場の動向(8/15-8/21)

先週の暗号資産(仮想通貨)市場は、株式市場を中心とした楽観的な雰囲気の中で比較的落ち着いたスタートとなり、ビットコイン(BTC)は320万円台から始まりました。しかし、FRB(連邦準備制度理事会)のメンバーから発信されるインフレおよび金利の考え方のタカ派的な内容を意識し、株式市場とともに徐々に軟調な展開となり、ビットコインは290万円程度、イーサリアム(ETH)は22万円程度の水準まで調整しています。

今週の注目イベント

今週注目されるイベントとしては下記が挙げられます。特に25日から27日にかけて行われるジャクソンホール会議は、金融市場が大変注目するイベントになるため、動向を押さえておくべきでしょう。

注目されるパウエル議長の講演

7月のFOMC(米国公開市場委員会)以降、米国金融市場は楽観的な見通しを強め、株式市場は大幅に反発し、債券市場では10年国債利回りが一時2.5%台まで低下しました。こうした動きを見たFOMCに参加する各連銀総裁は、今後の引き締めに向けて言葉を強めています。そのようなタイミングで開催されるジャクソンホール会議でのパウエル議長の講演は、大変注目を集めるところとなっています。

現在のところFRBのインフレに対する強い姿勢に変化があるようには見えません。パウエル議長の講演では、「景気の減速という痛みが伴っても強い姿勢でインフレに向かっていく」趣旨のコメントが出されるのではないでしょうか。

今週の暗号資産

株式市場の強い動きとともに堅調な地合であった暗号資産ですが、週末のパウエル議長の講演を意識して、今週は様子見的な軟調地合となるのではないでしょうか。

また講演で今後の金融政策について強い引き締めの姿勢が打ち出されれば、リスクオフのムードが高まり、調整色を強める可能性が高いと考えられます。

Profile ◉倉本 佳光(くらもと よしみつ)
慶應義塾大学法学部法律学科を卒業後、山一証券株式会社に入社し金融業界でのキャリアをスタート。
その後メリルリンチ日本証券株式会社、岡三アセットマネジメント株式会社で手腕を発揮。
これまでにリテール及び機関投資家への営業、上場企業の資金調達、IPO、M&Aなどの業務を担当し、現在では「株式会社J-CAM」にて総合的な金融コンサルタントとして活躍している。