月間暗号資産

  • HOME
  • COLUMN
  • 倉本佳光
  • CPIの発表控えるも堅調に推移すると見る-今週の暗号資産を読み解く。

CPIの発表控えるも堅調に推移すると見る-今週の暗号資産を読み解く。

暗号資産市場の動向(8/1-8/7)

先週の暗号資産(仮想通貨)市場は週末8月5日の米国雇用統計発表を控えて落ち着いた動きとなりました。ビットコイン(BTC)は週初309万円から始まって300万円程度から310万円程度でのボックス的な動きとなり、5日の雇用統計発表後は310万円台での動きとなりました。

いったん遠のいたリセッション

8月3日(水)に米サプライマネジメント協会(ISM)の非製造業景況感指数7月が発表され、前月比+1.4の56.7でした。好不況を分ける50を上回り、サービス業での景気の悪化は確認されませんでした。

その後、8月5日(金)の雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比52.8万人増加で前月の39.8万人増を大きく上回り、今回の市場予想25万人増の2倍の結果となりました。また平均賃金も+5.2%で前月の+5.1、予想の+4.9を上回りました。

これらの結果から、リセッション(景気後退)の懸念は和らぎましたが、労働市場の逼迫感と賃金の伸びが加速している点が確認され、米FRB(連邦準備制度理事会)による今後の金融引き締めをフォローするものとなりました。

今週の暗号資産市場に影響を与える可能性がある指標

今週予定されている経済指標の発表などは次の通りです。

10日に発表予定の米国消費者物価指数(CPI)の予想は前年比+8.8%となっています。市場の予測では、前回7月の+9.1%から弱まると見られています。

9月のFOMC(米国公開市場委員会)に向けて、先週の雇用統計とともに金融政策へ大きく影響する指標だけに大変注目されることが予想されます。

楽観論の米国金融市場

前述の通り、米国のリセッションの懸念はいったん遠のき、この点を評価した株式市場は落ち着いた動きとなりました。依然として楽観論が支配的な雰囲気です。この様子ですと今週発表される米国のCPIなどについても余程悪化しない限り楽観的な動きになるのではないでしょうか。

そのため、今週も米国株式市場は落ち着いた動き、もしくはやや堅調な動きが想定され、暗号資産市場についても同様に堅調な動きがみられるのではないかと考えています。

Profile ◉倉本 佳光(くらもと よしみつ)
慶應義塾大学法学部法律学科を卒業後、山一証券株式会社に入社し金融業界でのキャリアをスタート。
その後メリルリンチ日本証券株式会社、岡三アセットマネジメント株式会社で手腕を発揮。
これまでにリテール及び機関投資家への営業、上場企業の資金調達、IPO、M&Aなどの業務を担当し、現在では「株式会社J-CAM」にて総合的な金融コンサルタントとして活躍している。