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2022年を占う重要な週になる可能性-今週の暗号資産を読み解く。

暗号資産市場の動向(7/18-7/24)

先週の暗号資産(仮想通貨)市場は、ビットコイン(BTC)が長らく続けていた2万ドル(約272万円)周辺のもみ合いから上放れ、20日には2万4000ドル(約326万円)台まで買い進まれました。その後、少し押したものの2万2000ドル(約299万円)台でのもみ合いを見せています。円ベースでは20日に330万円台まで進み、週末は320万円台の動きとなりました。

これは米国で徐々に広がっていた「インフレがピークを迎えるのでは?」との期待が底流にあったと見られ、先週の米国株式市場は週央に3指数とも堅調な展開を見せました。実際、米国債10年利回りは3.0%台から2.75%程度へ低下。原油価格もWTIで104ドル台から95ドル前後まで低下する展開でした。

FOMCの動向等が暗号資産市場を左右する

今週は26日-27日にFOMC(米国連邦公開市場委員会)会合があり、利上げを発表する見通しとなっています。また佳境を迎えつつある米国企業の決算発表も26日にアルファベット、28日にアップル、インテルなどが予定されています。こうしたイベントにより株式、債券、為替の各市場がどのような反応を示すか注目されます。

しかし、株式市場の識者のコメントでは「弱気相場が終わったとの見方は楽観がすぎる」「間違えてはならない、弱気相場は終わっていない」と強気に傾く市場へ警鐘をならすものが見られています。

2022年を占う重要な週になる可能性

今週は年末に向けた今後の展開を占う上で重要な週となりそうです。暗号資産についても、こうした米国金融市場の動きにトレンドが左右される展開が続くと思われます。

年初、個人的には年央あたりから暗号資産の動きは、米国金融市場の動きから徐々に離れ独自の展開もあるのではないかと考えていましたが、現時点ではそのような兆しは見られていません。引き続き米国金融市場(株式、債券、為替)を注視していくことになりそうです。

Profile ◉倉本 佳光(くらもと よしみつ)
慶應義塾大学法学部法律学科を卒業後、山一証券株式会社に入社し金融業界でのキャリアをスタート。
その後メリルリンチ日本証券株式会社、岡三アセットマネジメント株式会社で手腕を発揮。
これまでにリテール及び機関投資家への営業、上場企業の資金調達、IPO、M&Aなどの業務を担当し、現在では「株式会社J-CAM」にて総合的な金融コンサルタントとして活躍している。