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ビットコインの法定通貨化から1年−前田真実果の“暗号資産投資”はじめてみました! Vol.98

前回はマイニングを必要とする暗号資産(仮想通貨)にとって切っても切れない関係にある「半減期」を取り上げました。暗号資産(仮想通貨)取引を始めて約2年、目先の価格変化より長いスパンで運用を考えたいと思った時に、必ず来ると分かっているものなら備えておきたいですよね。
ビットコインの次の半減期は2024年4月頃と言われているため、まだまだ期間はありますが、頭の片隅において運用していきたいと思います。

さて、収支の話題に移りましょう。
先週はFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果にも左右され約6,000円のマイナスとなりました。このコラムが公開されている頃には暗号資産(仮想通貨)市場にとって厳しい月となる傾向が強い9月を終えていますが、どのような結果となったでしょうか。

BitLendingに預け入れているビットコインを合わせて、今週は約5,000円のプラスとなりました。先週のマイナスを全て回収とはいきませんでしたが、まずまずの結果ではないでしょうか。

このコラムを書いている時点で、ビットコインは約270万円、イーサリアムは約18万5,000円と、先週と比べてほとんど変化はありません。
ですが、チェーンリンクとリップルの価格が上がったことが収支に大きく影響しました。

リップルに関しては、コラム連載間もない頃から始まった裁判に決着がつきそうとのことで、その期待から価格が上がっているようです。あの時はリップルに痛い目に遭わされましたね……。SNS上での様々な嘆きの声が思い出されます。

裁判は比較的リップルが優勢と伝えられていますが、結果が出るまで油断できません。リップルの勝利を信じて大量に買ったら敗訴して道連れ……という事態だけは避けたいので、冷静に見ていきたいと思います。

ビットコインが法定通貨になってから1年が経過

最近の暗号資産(仮想通貨)関連ニュースを見ていて思い出したのですが、中米エルサルバドルでビットコインを法定通貨に定めてから1年が経ちました。このコラムでも何度か触れましたね。まだそれほど時間が経っていないようにも感じますが、時の流れは本当に早いものです。

ここで少し考えてしまったのですが、はたして「ビットコインの法定通貨化」は正解だったのでしょうか?
まだ始まって1年ですし結果を求めるには時期尚早な気もしますが、日本円にして800万円に迫る価格をつけることもあった法定通貨化当時の2021年と比べ、現在の市況を見るとなんとも言いにくい気がします。

ビットコインが法定通貨になってから約半年でエルサルバドル政府が提供する公式ウォレット「chivo(チボ)」は400万人がダウンロードしたようで、国民の70%近くが銀行に行かなくても支払いやサービスを受けることができるようになったそうです。これはビットコインを法定通貨にした最大の功績と言えるでしょう。当初ビットコインの導入を決めた際の目的も銀行口座を介さずともサービスを受けられる人を増やすといったものでした。

他にもビットコインを導入する目的は様々ありましたが、今でも効果を生んでいるのは観光面のようです。今年2月の時点で、ビットコイン導入以前と比較した観光客数は30%も増加したみたい。銀行口座を持たなくてもサービスを受けることができる国民が増えたことで、国内旅行なども増えているのかもしれません。
エルサルバドル経済を支えている産業のひとつとして、観光業は10%ほどを占めているようです。これを考えると、観光客が増えるというのは国を潤す意味でも非常に大きなものと言えるでしょう。

一方、ビットコインを法定通貨にしたデメリットとしては、やはり価格の乱高下が挙げられるでしょう。
今年に入りビットコインは大きく価格を落とし、エルサルバドル政府が投資した分もマイナス域に入っているそうです。他の面でプラスになっているので一概に決め付けることはできませんが、投資面だけで言えば国益のマイナスにつながっているように見えます。
ドルも価値変動するものですが、ビットコインほどの乱高下ではありません。それも少しマイナス点でしょうか。最近は滅多にないですが、10%も20%も価格の乱高下が起きていたら買い物するタイミングも気にしないといけなそうですよね。

ビットコインの導入は各国政府などの警告を無視して強行した部分がありますので、外交面などで犠牲を払った面もあるでしょう。万一、ビットコインの価値が急激に落ちてしまい国際社会に助けを求めたとして、迅速に動いてもらえないということも考えられます。

今後、エルサルバドルのビットコイン法定通貨化の成功を左右するものとして「ビットコイン債」なるものの存在が挙げられるそうです。ビットコイン債を通じてお金を募り、火山を活用したビットコインシティの建設を行う計画をしているそうです。

すでに発行に向けた準備はある程度整いつつあるそうですが、現在の国際社会情勢などを鑑みて延期に延期を重ねている状況なのだとか。これが発行されてビットコイン関連のインフラが整備されることで、エルサルバドルではビットコインが確固たる法定通貨として利用されていくと考えられているそうです。

ここまでお話ししてきましたが、利用者が少ないことからビットコイン決済をやめたり、小さな商店ではそもそも対応していないという話もあります。また、政府が国民にビットコインを配り普及に努めましたが、配られた分を受け取ると、それ以降chivoを使うこともなくなったというような声もあるようです。国民が実際にどう感じているのか、市民生活中での位置付けを外の世界の私たちが決めることはできません。

いずれにしても、現時点では成功も失敗も評価するのはやはり早いと言えそうです。遠巻きに見ると、壮大な社会実験として客観視できますが、そこで暮らす人にとっては、失敗しましたでは済まされません。良い事例として機能していくことを期待します。

 

今回は以上となります。エルサルバドルによるビットコインの法定通貨化から1年が経ち、「結局のところどーなの?」と見てきましたが、記録上の数字と国民感情では異なる部分があるでしょうし、結論を出すのは難しいですね。そもそもやはり、まだ1年ですしね。

実はこのコラムも今回でもう98回目。節目の100回目まであとわずかとなりました。コラムを開始した2020年10月末から約2年。
3ケタの回数を迎えることになるとは……これも読者の皆様あってのもの。いつも本当にありがとうございます。

相場の方は軟調な9月から強気相場になりやすい10月へと突入しました。今年に入り私の収支はマイナスとなっていますが、このあたりで盛り返したいところですね。

そのためにも、まずは来週プラス収支報告をしてスタートダッシュをしっかり決めた……い、なぁ〜。

Profile ◉前田 真実果(まえだ まみか)
京都府出身。
レースクイーンやモデルとして活躍し、雑誌・ラジオ等に多数出演。
Adobeソフトの使用に長けており、Instagramなどで使えるGIF作成を日課としている。オリジナルキャラクターのGIFは2ヶ月で1,700万ビューを越える。

SNS
ブログ:Mamika Maeda Note
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