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半減期ってなんで必要なの? −前田真実果の“暗号資産投資”はじめてみました! Vol.97

前回は暗号資産(仮想通貨)業界にとって歴史的なアップデートが完了したイーサリアムをテーマとしました。このアップデートにともない誕生したもう一つのイーサリアムを資産運用に取り込むことも考えています。
アップデート周辺の価格の動きを見ていて気になったことがありましたので、今回はそれについてお話ししたいと思います。

その前に、収支をご報告しましょう。
先週の市場はイーサリアムのアップデートと米CPI(消費者物価指数)を意識した動きとなりました。その結果、5,000円ほどのマイナスとなっています。
今週は重要視されているFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されましたが、結果はどうなったでしょうか?

今週はBitLendingに預け入れているビットコインも含めて約6,000円のマイナスとなりました。うーん、厳しいですね。今週はやはりFOMCの結果が相場を左右したと言えそうです。

このコラムを書いている時点でビットコインの価格は約270万円、イーサリアムは約18万円と、ともに先週と比べ価格を大きく落としています。

FOMCでは、やはり大幅な利上げが決定されました。それでも利上げ幅は0.75%で、市場の予測通りの結果であったことから株価の下落が抑えられました。
株価も暗号資産(仮想通貨)も利上げは織り込み済みでしたが、やはり景気後退のリスクなどを考えると撤退の動きが強まってしまうんですかね。特に暗号資産(仮想通貨)単体で見てみれば、9月は弱い月ということもあり、今は我慢の時かなという気がします。

半減期について知る

私がこのコラム開始と同時に暗号資産(仮想通貨)取引を始めたのは2020年秋ですが、ちょうど2020年5月にビットコインは半減期を迎えました。半減期のあとは価格が上昇すると言われていて、実際この年も秋から冬に急上昇しました。もちろん市場を取り巻く様々な要因に左右されるため、必ずしも毎回同じような結果になるとは限りません。
イーサリアムも2021年の8月にアップデート「ロンドン」が行われ、秋にかけて価格は上昇しました。今回の「マージ」では、アップデートが進行している間、価格は最大25万円ほどまで上がりましたが、現在は約18万円とすぐに価格を落としました。イーサリアムのアップデートを「半減期」に例えることがありますが、価格への影響はそれぞれ少し異なるようです。
そもそもこの「半減期」をどのように理解すればいいのでしょうか。これを知ることによってチャンスのタイミングを見極めやすくなるかもしれません。そこで今回は「半減期」をテーマとしたいと思います。

半減期とは、要約すると「マイニング報酬でもらえる報酬が半減する」というものです。たまに価格が半分になるものと勘違いされる方もいるようですが、実際にはマイニング報酬が減るものなんですね。
投資するだけの人たちにとってはそこまで影響はないですが、マイニングを行うマイナーたちにとっては、自分たちの報酬が半減することになりますので、死活問題とも言えそうです。

では、なぜ半減期が必要なのでしょうか。これにはいくつか理由があります。

まず、半減期を迎えることによりマイナー報酬が半分になるということは、その分新たに生成される暗号資産(仮想通貨)の量も従来と比べて半分になりますよね。これによって、市場に出回る量を制限しているのです。

次にその暗号資産(仮想通貨)の価値を守るためです。
市場に出回る量を制限しないと、その暗号資産(仮想通貨)の希少性の変化がなく、徐々に価値が落ちていく可能性が高くなります。逆に新規発行量が徐々に減っていくことで、市場に出回る量が制限され、現状の価値を維持、もしくは高めやすくなります。

わかりやすい例ではビットコインが挙げられます。ビットコインは発行上限が2,100万枚と決まっていて、これまでに何度か半減期がありました。
最初のマイナー報酬は50BTCからスタートしましたが、その後、25BTC、12.5BTCと減っていき、2020年には6.25BTCへと減少しました。
ビットコインの半減期は約4年サイクルで訪れると言われていて、次は2024年に実施される予定とのことです。このペースでいくと、ビットコインの発行上限である2,100万枚に到達するのは2140年前後と言われています。私たちはこの瞬間を迎えることはできないでしょうね。

このように、半減期は暗号資産(仮想通貨)を守るための仕組みの一つと捉えることができるでしょう。
もちろん、マイナーの報酬が減っていくため、ビットコインのネットワークがどんどん弱まっていく可能性もあるかもしれませんが、先ほども触れた通り、希少性が高まることで現時点でも価値向上につながる傾向があります。ビットコインも2020年に半減期が行われた時には90万円ほどでしたが、現時点で270万円ほどの価格をつけています。昨年と比べ価格が落ちている現在ですら約3倍になっているわけですから、このペースで価格が上がっていけば、マイナーの報酬が減ったとしても元を取れるだけの価格となるような推移を見せていくことが予想されます。

 

今回は以上です。イーサリアムのアップデートに関連して、暗号資産(仮想通貨)の半減期についてお話ししました。
ビットコインの次の半減期には、また話題になるでしょうし、ビットコインにしてもイーサリアムにしても将来的にはまだまだ価値が上がる可能性を秘めていると感じます。

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今週もありがとうございました!

Profile ◉前田 真実果(まえだ まみか)
京都府出身。
レースクイーンやモデルとして活躍し、雑誌・ラジオ等に多数出演。
Adobeソフトの使用に長けており、Instagramなどで使えるGIF作成を日課としている。オリジナルキャラクターのGIFは2ヶ月で1,700万ビューを越える。

SNS
ブログ:Mamika Maeda Note
Twitter:@mamilium
Instagram:c1mamika

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