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歴史的なアップデートを終えたイーサリアム−前田真実果の“暗号資産投資”はじめてみました! Vol.96

前回は皆さんにもきっと馴染みがあるであろうモスバーガーのメタバースを使った施策を取り上げました。
メタバース上に「モスバーガーON THE MOON」と題した店舗を展開し、その中でハンバーガー作りが行えるというもの。メタバース空間に入れる環境がなくても、いくつかの実店舗にVRゴーグルが設置され体験することができました。今回は期間限定メニューの訴求が目的でしたが、リアルな世界とメタバースを結びつける恒常的な取り組みにも期待したいです。

さて、収支の報告に移りましょう。
段階的に行われているイーサリアムの大型アップデート。これを見据えた動きが暗号資産(仮想通貨)市場に広がり、先週はプラス収支となりました。
今週は2段階目のアップデート、そして米CPI(消費者物価指数)の発表と慌ただしくなりましたが、結果はいかに。

今週はBitLendingに預け入れたビットコインも合わせ、約5,000円のマイナスとなりました。これだけ大きなイベントが重なりながらも一時はプラスにできたのですが、コラムを書き終える直前でマイナスが増えてしまいました。

そもそも、暗号資産(仮想通貨)市場は前回のコラム更新前後で大きく上昇しました。ビットコインは最大で320万円ほど、イーサリアムは25万5,000円ほどまで価格を伸ばしました。というのも、イーサリアムが大型アップデートを控えていることに加え、これまで重荷となっていたアメリカのインフレがピークアウトしたとの見方が強まったためです。13日に発表された米CPI(消費者物価指数)で市場の予測通りの結果になれば、さらに価格が上がるとの思惑もあったでしょう。

しかし、このCPIで出た数値は市場の期待を裏切り、インフレが加速していることを裏付けるものとなりました。
これが明らかになると、世界各国の株式市場では大幅な下落が見られました。NYダウでは1200ドル超もの下落です。日経平均も一時800円安を記録しました。
アメリカの株式市場と連動する傾向の強い暗号資産(仮想通貨)市場も例外ではなく、ビットコインは一時290万円、イーサリアムも23万円を割るなど大幅な下落となりました。

そのような状況で、事前に複数の暗号資産(仮想通貨)を売却していたことが今回の結果になりました。CPIの結果が良好であることや暗号資産(仮想通貨)の価格が上がることに期待するのではなく、その場合の利益を捨ててでもリスクを回避する方向に振ったかたちです。具体的には、bitFlyerさんで管理していたテゾス(XTZ)やバット(BAT)を売却して一度現金にし、その後タイミングを見てイーサリアムに変えました。

イーサリアムのアップデートに関してさらに後述しますが、イーサリアムは分裂する可能性があり、将来的にその分岐した新しい暗号資産(仮想通貨)を入手することを見越した投資です。これについても以下に詳しくお伝えします。

進化したイーサリアムと分岐したイーサリアムの今後は?

さて、注目されていたイーサリアムの大型アップデート「マージ」ですが、日本時間15日の15時43分頃に無事完了しました。

何回か前のコラムでも触れたように、今回のアップデートはイーサリアムの取引を承認する仕組みを変更するものでした。これにより、マイニングを行う「マイナー」に変わって「バリデータ」という方たちがイーサリアムの取引の承認作業を行うことになります。高価なマイニング機器を買うことなく、理論上誰もがバリデータとなって報酬を得られるようになります。

具体的には、今回のアップデートを経てPoW(プルーフ・オブ・ワーク)という仕組みからPoS(プルーフ・オブ・ステーク)というものに変わりました。これによって新規発行されるイーサリアムの数量が今までと比べて90%も減ると言われています。さらに、マイニングを行わないため、環境的にも優しい仕組みとされています。

ただ、既存のマイナーは自分たちの稼ぎがなくなるようなものですから、当然このアップデートを反対します。その過程で浮上したのがイーサリアムの「分裂」でした。分裂と言ってもアップデートされるPoS版を応援する人が大多数を占めていましたが、結果的にマージが完了した後、約8時間ほどでPoW版のイーサリアムが誕生する結果となりました。

今回のアップデートを受けてイーサリアムの価格はどうなるか担当氏に以前聞いたのですが、やはりアップデート後には価格が落ちると思うということに加え、アップデートの前にアメリカのCPIが発表されるので、リスク回避の売りがイーサリアムにも波及するのではないかとのことでした。
結果的に、イーサリアムの価格はCPIの発表時に落ちました。アップデート後の価格はそこまで大きな変化はなかったものの、PoW版イーサリアムが誕生したことにより、一連のアップデートに関するイベントが全てひと段落ついたため、売りが先行した形です。

直近で価格が落ちることが分かっているイーサリアムに投資をした理由ですが、先述したように分裂したPoW版のイーサリアムを取得できる可能性があるためです。PoW版のイーサリアムは投機的な動きが強まるとも言われていますし、国内暗号資産(仮想通貨)取引所に預け入れていても規制の関係上絶対に受けとれるかはわかりません。それでも、もしPoW版のイーサリアムを入手できて、それが高騰したらラッキーだなと思いましたし、仮に売れるような状況ではなくても、「あの頃こんなことがあったな」と思い出に残すことができるなと思いました。皆さんも気になりますよね?

今後ですが、イーサリアムはさらにアップデートを重ねて手数料(ガス代)の改善や取引速度の向上等に取り組むそうです。NFTやDeFiなどの分野で非常に多く利用されていますので、利便性が上がるのは業界全体にとって良いことと言えそうです。
海外の機関投資家もイーサリアムがビットコインを超える可能性があるとして投資しているようですし、私も期待して投資していきたいと思います。

 

今回は以上です。
皆さんも注目しているであろうイーサリアムの歴史的なアップデートについてお話ししました。かなり長い年月をかけて実装されたそうですし、とりあえずひと段落といったところですかね。開発者の皆さまお疲れ様でした!

そうそう、もうすぐ月刊暗号資産の最新号が発売されます。私のコラムも掲載されていますので、ぜひ手にとっていただけたらうれしいです。
今回はとあるイベントについて書きました。私にとって初の暗号資産(仮想通貨)イベントへの参加です(コロナの影響からオンライン)。

今回の表紙には人気作品「左利きのエレン」のキービジュアルが使用されているそうですよ。前号もそうでしたが、リニューアル後の力の入り方がすごい……。今までにない挑戦的なテイストに編集部の気合いを感じます。

発売日は9月21日(水)で、すでにAmazonでは予約も開始しています。気になった方は下記リンク先よりぜひご予約を!

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相場の方では、来週20、21日に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)に注目が集まっています。今回発表されたCPIの結果を受けて、再び大幅な利上げに踏み切るのはもはや避けられない状況であるだけに、再び大きな価格変動が起こる可能性もあります。

9月は毎年厳しい状況置かれている暗号資産(仮想通貨)市場ですが、その中でも何とか収支を伸ばしていきたいですね。

Profile ◉前田 真実果(まえだ まみか)
京都府出身。
レースクイーンやモデルとして活躍し、雑誌・ラジオ等に多数出演。
Adobeソフトの使用に長けており、Instagramなどで使えるGIF作成を日課としている。オリジナルキャラクターのGIFは2ヶ月で1,700万ビューを越える。

SNS
ブログ:Mamika Maeda Note
Twitter:@mamilium
Instagram:c1mamika

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