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国を挙げて金融教育を進めるみたい−前田真実果の“暗号資産投資”はじめてみました! Vol.94

前回は現状の市況を踏まえて、暗号資産(仮想通貨)運用の様々なお得技を取り上げました。
7月に発売された月刊暗号資産9月号本誌に掲載されたものを元にご紹介しましたが、暗号資産(仮想通貨)以外の方法を含めほかにも様々なお得技が掲載されていますので、気になる方はぜひ本誌を読んでみてくださいね。

さて、収支は先週マイナス1万円と、再び厳しい結果となりました。
市場に大きな影響を与えるとされる「ジャクソンホール会議」というアメリカの経済フォーラムを見据えて、暗号資産(仮想通貨)だけでなく株式市場も軟調な動きとなりました。
8月末にこの重要なイベントが開かれましたが、それを受けて今週はどのような結果になったでしょうか?

今週はレンディングに預け入れたビットコインも含めると2,500円ほどのマイナスとなりました。引き続き厳しい状況が続きますね。
冒頭でお話ししたお得技の中にあるSBIさんでのレンディングサービスを実際に申し込んだのですが、なぜか申請が承認されませんでした(泣)。申し込み枠の兼ね合いで弾かれた可能性もあるようなのですが、こちらはまた改めてチャレンジしてみたいと思います。

コラムを書いている現時点で、ビットコインは約280万円となっており、先週と比べて10万円ほど価格を落としています。一方のイーサリアムは先週とほぼ変わらず約22万円で推移しています。
先週からあまり変化がないように見えますが、ジャクソンホール会議でのパウエルFRB(米連邦準備理事会)議長の講演を受けて暗号資産(仮想通貨)だけでなく、株式市場も大幅な下落となりました。週明けには一時ビットコインが約270万円、そしてイーサリアムは20万円を下回る場面があるなど、非常に不安定な動きを見せています。

先週金曜日のNYダウ平均株価は、パウエル議長の発言を受けて1000ドル以上も下落しました。暗号資産(仮想通貨)の下落はまさにこのNYダウの急落も大きな要因になったと言えるでしょう。
ここまでの下落を引き起こしたパウエル議長の講演内容ですが、ざっくり言うと、引き続き金融引き締めを続けていくというものでした。これを警戒して市場では逃げるように売りが出て価格が落ちていったという流れのようです。

たしかにこれだけ騒がれている利上げがまだまだ継続していき、しかもそれを判断する人が強い意思表明を行ったとなると市場が動揺するのも無理はありません。しかもさらに利上げを強化する可能性も浮上しているようですので、今後も警戒感の強い相場状況が継続していくかもしれませんね。

国が金融教育を強化

今週、このようなニュースがありました。

金融庁、金融教育を国家戦略として推進へ

金融庁が金融教育を「国全体として体制を検討する」と明記して、国家戦略として取り組めるように提言を行うそうです。新型コロナの影響で投資に注目が集まるなか、金融リテラシーの向上が国民の資産形成に欠かせないと判断したよう。

「おカネ」について意識することなく暮らしていけるならそれが一番良いですが、この資本主義の国に生まれた以上常に考えねばならない大きな課題です。貨幣システムはただモノの交換手段であり、人間が作り出したシステムなのに、なんだか得体の知れないモンスターにさえ見えるほど、それ自体が魔性の力を持っているように思えます。
しかしこの「得体のしれなさ」は知ることで軽減できるものとも思います。無闇に怖がることなく、夢を叶えたり、負担を減らしたりするための制度などがあれば利用し、“普通に豊かな”生活のための手段として使っていきたいですよね。

金融庁の話題で言うと、来年度の税制改正の要望に暗号資産(仮想通貨)課税の見直しについて盛り込むことを決めたという報道が先日ありました。この要望では自社で保有している暗号資産(仮想通貨)にかかる法人税を見直すようです。

これまでは期末の時価をもとに課税を行っていて、たとえ売らずに保有し続けていたとしても含み益が出ていれば課税対象となっていました。しかし、それでは資金調達を行ったばかりのスタートアップやまだ資金がそこまでない企業には大きな負担になります。そこで、今後は保有する暗号資産(仮想通貨)について期末の時価評価対象から除外し、あくまでも売却して利益が出た時に初めて課税されるという仕組みにしようとしているようです。

今年に入ってから政府や与野党問わず、暗号資産(仮想通貨)やNFTなどに言及するケースが増えてきましたよね。その過程で課題として挙がるのは、やはり暗号資産(仮想通貨)の税制でした。
過去のコラムでも触れましたが、日本の暗号資産(仮想通貨)税制は現状ユーザーにとって非常に不利なものとなっています。企業に関しても、税制が重荷となり優秀な人材が海外に流出してしまうという事例がとても多くなっているようです。
今回の暗号資産(仮想通貨)税制の見直しではそうした優秀な人材の流出を防ぐ狙いもあり、岸田首相が言及した「スタートアップ創出元年」の一連の動きと言えます。
現時点で個人の暗号資産(仮想通貨)税制の見直しについては言及がないですが、いちユーザーとしてはぜひ個人レベルの暗号資産環境の整備も進めてほしいですね。

 

今回は以上です。
金融庁が金融教育や暗号資産(仮想通貨)税制の見直しについて動いているということで、なんだかやっとこの界隈の長年の課題に光が見えたような気がします。
今まさに暗号資産(仮想通貨)やブロックチェーンの技術を活かして新しいサービスを作っている企業や、これから参入しようという人はたくさんいるでしょうし、金融教育によって受け手の知見が深まることで、それらがより便利に活用されていくのではないでしょうか。

相場については、いよいよ暗号資産(仮想通貨)のパフォーマンスが落ちると言われている9月に突入し、どんな魔の展開がやってくるのかと身構えています。
警戒しつつ、今年はどのような推移になるのかしっかり見ていきたいと思います。

Profile ◉前田 真実果(まえだ まみか)
京都府出身。
レースクイーンやモデルとして活躍し、雑誌・ラジオ等に多数出演。
Adobeソフトの使用に長けており、Instagramなどで使えるGIF作成を日課としている。オリジナルキャラクターのGIFは2ヶ月で1,700万ビューを越える。

SNS
ブログ:Mamika Maeda Note
Twitter:@mamilium
Instagram:c1mamika

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前田真実果の“暗号資産投資はじめてみました!” Vol.93