月間暗号資産

前田真実果の“暗号資産投資”はじめてみました! Vol.85

前回は、NFTを使ったおもしろい取り組みとして、国内で住居兼ホテルの運営を行う企業の、宿泊日・場所がランダムに設定される体験型NFTをピックアップしました。
さぁ今年の旅する日が来ましたよ、と未知の場所に誘ってくれるようで何だかわくわくします。都合が合わない時はその年の権利を売却することもでき、コストがムダになりにくいのもいいですね。詳細が気になった方はぜひ前回のコラムを読んでみてください。

前田真実果の“暗号資産投資はじめてみました!” Vol.84

肝心の収支ですが、先週はわずか1,000円のプラス。暗号資産(仮想通貨)市場全体の空気感はほとんど変わっていないことが感じられました。米国を中心とした金融引き締めの加速が大きな足かせとなり、上値が重くなっています。
こうした状況下で、今週はどういった結果になったでしょうか?

今週はレンディングで預け入れているビットコインも合わせて、約3,000円のプラスに。う、うーん……何とも微妙な変化ですが、徐々に回復しつつあるということなのでしょうか。

現在コラムを書いている段階で、ビットコインの価格は約275万円。イーサリアムは15万円半ばとなっています。
今週はビットコインよりもイーサリアムをはじめとしたアルトコインの買いが先行しているようです。ビットコインの動きが鈍くなったことから、資金を守る目的でステーブルコインに切り替えたり、逆にリスクを取ってでも利益を狙う場合はより大きく価格変動しやすいアルトコインへと交換するといった動きが見えます。

ちなみに、普段私が使用しているSBI VCトレードさんなのですが、このコラムが更新される直前、7月1日に新しくサービスが統合されることとなりました。厳密に言うと、これまで私が使用していたものが旧サービスとなります。ちなみに、新サービス版のアプリ画面はこんな感じです。

個人的には新しいアプリの方がシンプルかつ、より見やすくなったなという印象です。
サービス統合ということで私も口座移管作業をしたのですが、案外難しいことはありませんでした。手続きを忘れていたという人も焦る必要はありません。数日かかってしまいますが、SBIさん側で口座移管作業をしてくれるとのことです。

先日、bitFlyerさんの方でも前に触れたトラベルルールという国際基準のルールに則った規則変更などもありましたし、どんどん国内の暗号資産(仮想通貨)業界が動いている感じがしますね。

これまで落札された高額NFTランキング

最近は相場状況が良くないせいか、暗号資産(仮想通貨)関連ニュースでは、NFTに関する話題が多く見受けられる印象です。
NFTは昨年世界的にブームになり、今では人気コンテンツのNFTが出ることや、有名ブランドのコラボNFTが出ることも当たり前になりつつある感があります。自分自身もNFTを作成して販売している端くれでもありますので、どんなNFTが売れてるの? トレンドってあるのかな? というところが気になります。

昨年NFTが話題に上るようになったのは、規格外の価格からでした。実体のないものがとんでもない高額で取引されるというのが関心のポイントであったと思います。今ではより成熟度が上がり、単に所有することや転売で利益を得ることだけでなく、冒頭で触れた宿泊体験のような「リアルとの融合」で機能するNFTも出てきました。
ただ、どちらにも共通するのはそこにどれだけ価値を感じるかによって取引するかどうかが決まるということです。いったいどのようなNFTが“価値がある”とされてきたのでしょうか。
今回は改めてこれまでに高額な取引を記録したNFTを見ていきたいと思います。

今回は私が調べた限りのランキングで、どれも老舗オークションハウスで落札されたものとなります。そのため、もし今回取り上げたものよりも高額なNFTがありましたらぜひ教えてくださいね。

まず3位は、デジタルアーティストのBeeple(ビープル)さんという方の作品「Human One(ヒューマン・ワン)」で、約2900万ドル(当時約33億円)での落札です。トップ3とはいえ、やはりとてつもない金額がつきますね。
この作品は実物のスクリーンに映し出される映像作品で、宇宙服を着た人物が様々な場所を移動するというものだそうです。
作者のBeepleさんが制作した初めての実物関連NFTということで、非常に大きな注目を浴びました。

続いて第2位は、Julian Assange(ジュリアン・アサンジ)さんという方と、Pak(パック)さんという方が制作した「Clock(クロック)」という作品で、約5270万ドル(当時約63億円)です。
このNFTは「Censored(センサード)」というNFTコレクションのうちの1つで、Assangeさんが刑務所で過ごした時間を表した作品だそうです。どうやら、時計としての機能も併せ持つみたい。このレベルまでくるとなんだか漠然と芸術……という感じがしますね。

そして第1位、こちらは過去にも触れた作品です。
先ほども登場したBeepleさんの作品で、「Everydays: The First 5000 Days(エブリデイズ:最初の5000日)」が、約6900万ドル(当時約75億円)で落札されました。
この作品はBeepleさんが13年半もの歳月をかけて5000枚の作品をコラージュしたもので、様々な絵が1つのアートとして表現されています。13年もの年月をかけただけあり、その歳月が報われて良かったなと思います。
この作品はシンガポールのプログラマー兼NFTプロジェクトを手がけるヴィグネシュ・スンダレサンさんという方が購入したそうで、メタバース内のデジタルミュージアムに展示して誰もが見られるようにしているのだとか。

NFTは揺るぎない所有権を証明し、自分だけのものである点が所有する人にとっての満足感であり前提であると思うので、それを誰もが見られるようにしてくれるのはうれしいですね。
Beepleさんのこの作品がいわばNFTブームの火付けとなり、今日までのNFT文化を築いたともいえますので、NFT界のビットコイン的な存在と言えるかもしれません。もちろんNFT自体はもっと昔からあったので厳密には違いますけどね。

NFTには本当に様々なものがあります。デジタルアートが最も多いのかなと思いますが、中でもドット絵をよく見かける気がします。シンプルなドット絵が高額取引された例もあります。また、特徴として連続性のある作品が多いですね。このコラムでも取り上げた「退屈なサル」のように同じキャラクターの背景違い、衣装違いのようなものを複数並べて出品されているのを目にします(や、ちゃんと作品に込められた深い意味があるんですよね? 分かります。たぶん)。
例えばInstagramのようなSNSでは、「フォロワーを増やすには」「いいね・保存数を増やすには」といった攻略法が編み出され、書籍化されたり、スクールのようなものまで展開されていますが、「売れるNFT!」のような規格が出てきたりするんですかね。

マーケットプレイスによっては出品時に「ガス代」と呼ばれる手数料を先に支払う必要があり、それがネックになることもありますが、無料の販売サイトもあります。自撮り1枚だってNFT作品にできます。インドネシアの青年が5年間撮り溜めた自撮りを出品し、日本円にして総額1億円以上の値をつけた例もあります。

美女でなくても、特別なものを持っていなくても、人々の価値意識に訴えかけるものを作り出せる。無限の可能性を秘めているようでいて、どこにも通じていない道をさまようような果てしない徒労にも思えます。ただ、確実に言えることは「継続は力なり」。千里の道も一歩から〜(花澤香菜さんのボイスで脳内再生してください)!

 

今回は以上です。
NFTを含めこちらのコラムも然り、コンテンツを発信する立場からNFTについて考えました。

今はまだもの珍しさが先行し、作り手も売買だけをする側も手探りのところがあるように思います。NFT化することが当たり前になるかもしれませんし、何か別の方法が出てくるかもしれません。ビットコインが歴史を作ったように、走りとなったNFTたちが何十年後かの世界ではどのように位置づけられているのでしょうね。

さて相場面では、来週7月6日が期限となっていたビットコインの現物ETFが6月30日に非承認されるなど、ポジティブな内容があまりない印象があります。去年、ビットコイン先物ETFの話題については触れましたが、今度はまた違う金融商品のようです。ビットコインの現物ETFが承認されると、非常に大きな資金流入が見込めるとも言われていますし、タイミングを見てこの件についても触れようかなと思っています。

ではまた次回!

Profile ◉前田 真実果(まえだ まみか)
京都府出身。
レースクイーンやモデルとして活躍し、雑誌・ラジオ等に多数出演。
Adobeソフトの使用に長けており、DTPエキスパートなどを保有する「DTPできる系レースクイーン」。

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