月間暗号資産

前田真実果の“暗号資産投資”はじめてみました! Vol.84

前回は宮崎県によるブロックチェーンを用いた取り組みについて触れました。
ブロックチェーンの電子食事券を発行し、それを使ってもらうことで、コロナウイルスまん延防止とキャッシュレス決済の普及を目指すというものです。これを利用すると、利用時に30%のプレミアが上乗せされるなど、とても魅力的かつ意義のある取り組みだと感じました。
このコラムを読んでいて、もしこの食事券を購入・利用した人がいらっしゃいましたら私のTwitterや月刊暗号資産アカウントなどを通じてぜひ感想を教えてくださいね。

さて、収支の方は先週大きなマイナスを記録し、現在の暗号資産(仮想通貨)市場の不安定さを露呈する結果となりました。
株式市場でも同じく不安定な動きが続いていますが、今週はどのような収支となったでしょうか?

今週はレンディングで預け入れているビットコインも合わせて、約1,000円のプラスとなりました。プラスとはいえこの惨状ですよ……。状況は先週とほぼ変わっていません。

コラムを書いている時点でのビットコイン価格は約275万円。イーサリアムは14万円半ばと、どちらも先週と比べ価格を落としています。それでもプラスになったのは、先週と比較してbitFlyerさんで運用しているベーシックアテンショントークン(BAT:通称「バット」)の価格が上がったため。
しかし、全体としてはやはり先週と状況は大きく変化した様子はありません。

今週に関しては、「また価格が下がったんだ」よりも、「よくこの価格で推移しているな」という思いが強いです。
というのも、ちょうど前回のコラムが更新された日辺りに、ビットコインは2万ドル(約269万円)、イーサリアムは1000ドル(約13万4,000円)と、どちらも節目とされる価格を割り込んだんですよね。
有識者の皆さんの見解なんかを見ていても、これらの節目、特にビットコインは2万ドルを割ると、さらに大きく価格を下げる可能性があると指摘されていました。それだけ大事なラインを下回ったビットコインは、一時1万7500ドル(約238万円)まで下落したのです。
なんとか下げ止まったことで、現在は先週と変わらないくらいの価格まで復活しましたが、一時は本当にとんでもない水準まで落ち込む覚悟をしました。

現在の相場状況を受け、業界内外で「暗号資産冬の時代」という言葉をよく目にするようになりました。リアルの季節はまさに夏に向かおうとしているのに……。価格が落ち込み、しばらくは業界としても物寂しい時期が続くということを示唆しています。
しかし、暗号資産(仮想通貨)の価値についての認識は今後ますます広まっていくと思いますし、冬が終わった後枯れて風に消えました……なんてことはないでしょう。
暗号資産(仮想通貨)の世界では何度もこういった時期があったはずですし、その都度乗り越えてきたことを考えると、むしろ今はチャレンジして投資するのもありなのではないかとも思えます。そんで前田さん、買い増すの? 自分はどーすんのよ? と言われそうですが……へへ、ちょっと悩ましいですね。170億円くらい元手があれば何割か注ぎ込んでもいいと思いますがね。

宿泊日・場所がランダムに決められるホテルのNFTが販売

今週も価格面に関するニュースであまり喜べるようなものはなかったのですが、気になるネタがありました。
住居兼ホテルを運用する「NOT A HOTEL」という国内企業の取り組みなのですが、この施設を利用するためのメンバーシップNFTを販売すると発表したのです。

これだけを聞くと、「あー、はいはい。またNFTね。お腹いっぱいなんだけど」と、最近次から次へと出てくるNFT絡みの話題に、ありふれた印象を受ける方もいらっしゃるかもしれませんが、そのNFTを用いてできることにおもしろい部分がありました。
まず、NFTは「MEMBERSHIP」という会員証機能を兼ねたものがあり、このNFTを持つことが大前提となります。そしてそれとセットでホテルを利用する際に必要となる鍵NFT「THE KEY」が付与されるみたい。
この「THE KEY」は、「MEMBERSHIP」に記載された3ヵ月前にこのNFTを持っていないと発行されないようです。
そして「MEMBERSHIP」を購入すると、日付が入っていない白紙のメンバーシップカードNFTが発行されるようなのですが、ここからがポイントです。

専用サイトにアクセスすると、「毎年旅をする日」として白紙のメンバーシップカードに利用可能な日付がランダムに刻印されるそうです。そしてこのNFTを持つ限り、毎年その刻印された日だけ、利用が可能になるみたいです。
本来であれば自分の休みに合わせて日取りを決めるものだと思いますが、この仕組みだと強制的に日付が決められるので、ある意味では毎年恒例のイベントとして楽しむこともできそうですよね。

それでも、どうしても日程が合わない時があるかと思います。そこで、NFTである理由が出てきます。
この「MEMBERSHIP」は当然売ることができますが、スケジュールが合わなければ、その年に受け取る「THE KEY」のNFTのみ売却することもできるみたい。ですので、「MEMBERSHIP」を持ち続けながら、行けない日は他の人に譲渡することができるのです。「MEMBERSHIP」もそこそこのお値段がするでしょうし、「THE KEY」を売却することで購入時の費用を補填することができそうですね。

ちなみに、利用可能な日がランダムで決められますが、泊まるホテルも毎年ランダムに決められるそうです。そのため、その年によって付与される「THE KEY」が変わるということです。しかも、「MEMBERSHIP」の権利は建物の耐久年数と同数の47年間保持されるというのです。
どれだけの方が該当することになるか分かりませんが、初年度に購入すれば47年間もの間毎年決まった日にランダムで旅行することができるということになりますね。「今年は札幌」「ああ、今年は長野」みたいな感じで、より非日常感を味わうことができると思います。

そもそもこの取り組みのコンセプトが、「偶然を、旅する日に変えよう」というもので、すべてがランダムという点がまさにこの「偶然」とマッチしていますよね。

「MEMBERSHIP」は年1泊できる「NOT A HOTEL(NAH)」と、3連泊できる「NOT A HOTEL EXCLUSIVER(NAHE)」の2種類が発行されるそうです。まだ価格等は分かっていませんが、ミステリーツアー的な宿泊プラン自体のおもしろさとNFTとの組み合わせは話題性抜群ですよね。これって宿泊地までの交通費はプランの中には含まれてないよね……? とか考えてしまう私は、これを利用するのは10年早そうですが、続報をチェックしたいと思います。

 

今回は以上です。
泊まる日、場所がすべてランダムで決められるというホテルのNFTについて触れましたが、今後このような現実世界とリンクしたNFTがどんどん登場してくるような気がしました。
昨年はNFTアートの価格が高騰したりしていたため、物珍しさから注目された部分もあるかと思いますが、現在はさらに踏み込んで、NFTの活用法について考えを深める段階にあると思います。NOT A HOTELの取り組みはNFTの活かし方の一つとして、とてもおもしろいものですね。
新しく出てきた技術を用いて一風変わった取り組みをするのもいいですし、既存のサービスに導入することで顧客満足度を向上させるのもいいことだと思います。

近頃は日本政府もNFTに対して積極的な姿勢を見せていますし、冒頭のお食事券のように国や自治体発のものも出てくるかもしれませんし、こんな使い方があったのか! というような驚く事例も続々出てくるかもしれません。
ぱっと思いつきませんが、自分も何かやってみたいなと思わせるワクワク感がNFTにはありますね! NFTを使ったアイデアがある方はぜひ教えてください。何か一緒にやりましょう!

Profile ◉前田 真実果(まえだ まみか)
京都府出身。
レースクイーンやモデルとして活躍し、雑誌・ラジオ等に多数出演。
Adobeソフトの使用に長けており、DTPエキスパートなどを保有する「DTPできる系レースクイーン」。

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ブログ:Mamika Maeda Note
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