月間暗号資産

前田真実果の“暗号資産投資”はじめてみました! Vol.83

前回は日本で発生した暗号資産(仮想通貨)に関する事件として、会社資金170億円を不正に利用し、約30億円もの利益を出したという事例に触れました。
なんともスケールの大きい事件ですが、被告が稼ぎ出してしまった30億円がいったい誰のものとして決着するのか、引き続き注目を集める事件かと思いますので、気になった方はぜひ前回のコラムを読んでみてくださいね。

前田真実果の“暗号資産投資はじめてみました!” Vol.82

さて、私の収支について。ここ数週はほぼ横ばいの推移となっていましたが、ビットコイン、アルトコイン含め、上がったものもあれば下がったものもありつつ、なんとか2週連続でプラスを出しました。
上値を重くした要因として、10日に発表を控えていたアメリカの消費者物価指数(CPI)があります。この発表内容によっては市況が大きく変わるという見通しのために、警戒する方が多かったと思われます。

前回のコラムはこのCPIが発表される前に書いたものなので横ばいとなりましたが、結果が分かった今、収支はどうなったでしょうか?

値動きを追っていらっしゃる方だけでなく、何かしらのニュース等でご覧になった方もおられるのではと思いますが、市況はただいまピンチです。
今週はBitLendingに預け入れているビットコインも合わせて、約2万2,000円のマイナスとなりました……。非常に痛い大幅なマイナスです。ここまで来るとどう動いていいのやらといったところですね……。

現時点でのビットコインの価格は約296万円。ついに300万円を下回ってしまいました。アルトコインの雄であるイーサリアムも大きく価格を落として現在約16万円。暴落というワードが出てくるのも無理ない状況です。
暗号資産(仮想通貨)市場は現在、軒並みほとんどの銘柄が大きく価格を落とし、市場全体の時価総額もついに1兆ドルを下回ったのだとか。

原因となったのはやはりアメリカのCPIの結果でした。市場の予測だと、先月と比較してインフレ率はほぼ横ばい、もしくは少々改善がみられるとされていましたが、実際にはさらに悪化することとなりました。これにより金融引き締めが加速するとの懸念が強まり、いわゆるリスク資産と称されるハイテク株や暗号資産(仮想通貨)から退避する動きが強まりました。

そして、日本時間16日には連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が発表されました。今回の会合で、米FRB(連邦準備制度理事会)は0.75%という大幅な利上げを決定。これは1994年以来の利上げ幅になるそうです、
この発表自体はほぼ市場の予想通りでしたし、FRBのパウエル議長が大幅な利上げは「短期的なもの」との姿勢を見せたことで、急速な景気後退に対する懸念が後退し、アメリカや日本の株式市場は大幅な上昇となったのです。

それでも、他国ではまだまだ利上げの動きが続いていて、これが投資家たちにとって重荷となることが予想されます。ビットコインをはじめとした暗号資産(仮想通貨)も引き続き予断を許さない状況がしばらく続くかと思います。ですので、当面は価格の乱高下があっても仕方ないという心構えでいた方がいいかもしれません。

ブロックチェーンを活用した電子食事券

やっぱりね、自分が始めた頃の価格帯を基準に考えてしまう傾向があって。ビットコインなら、300万円台くらいからどんどん価格を上げて500万台、700万という展開を見てきた後、現状200万円台というのは暗澹たる気持ちになりますね。チェーンリンク(LINK)なんかも2,000円台に上った時期があり、希望の星とか言ってたんですけどね……(最近は800円台くらい)。そんな先行き不透明な暗号資産(仮想通貨)相場ですが、それでも市場環境の整備やブロックチェーンを用いた事例は増え続けています。

そのブロックチェーンに関する話題で今週気になった取り組みをご紹介したいと思います。宮崎県で発行された電子食事券「ひなた認証お食事券」。この電子食事券にはアメリカのR3という企業が開発するブロックチェーン「Corda(コルダ)」が利用されています。私も普段利用させていただいているSBI VCトレードさんの親会社、SBIホールディングスの傘下であるSBI R3 Japanという会社が国内でサポートを行っているブロックチェーンだそうです。

今回発表された「ひなた認証お食事券」では、宮崎県が定めた基準に沿った感染予防対策を行っているお店を認証する「ひなた飲食店認証制度」の認証店で利用することができます。この取り組みを通じて、宮崎県ではキャッシュレス決済を普及させたいと考えているみたい。
ちなみに、電子食事券の利用時は30%のプレミアが上乗せされ、よりお得に食事することができるそう。例えば、1万5,000円の食事券を購入すると、利用時には1万9,500円分の利用が可能とのこと。

キャッシュレス決済ということで、お店側も含めこういったアプリ操作に慣れていない方には一つハードルとなってしまう面もありますが、この取り組みの基準として必須項目としたことはとても意味のあることだと思います。コロナウイルスのまん延を防止すること、そしてキャッシュレス決済を広めていくこと、この両方について環境が整備されることになるからです。
お得に食事できるという大変分かりやすいメリットを通してそれを実現していくのはすごく上手なやり方ですよね。

最近はキャッシュレスもそうですが、お金の直接的な受け渡しを少しでも減らす取り組みの一環で地域特有のデジタル通貨や、今回の「ひなた認証お食事券」のようにブロックチェーンを活用したクーポンを発行する試みが増えているそうです。
かつて暗号資産(仮想通貨)での使用がメインであった技術が、徐々に日常生活にも溶け込みつつあるのは、これからの暗号資産(仮想通貨)にとっても、私たち自身の生活にとっても良い傾向と言えるのではないでしょうか。すべてをブロックチェーンにする必要はないと思いますが、暮らしを豊にするための取り組みにどんどん活用していってほしいですね。

 

今回は以上です。
ブロックチェーンを活用したクーポン、探せば意外と近くにあったりするのかな? 今回のひなた認証お食事券、すごくお得ですよね。私もこういった取り組みを利用して何かおいしいものが食べたいなぁ。

あ、そうそう私最近NFTを作ったんですよ。以前レースクイーンのお仕事の一環で私が被写体のNFTを出させていただいたことがありましたが、今回は完全に趣味というか、私自身が作り手となったものです。その際にガス代という壁にぶち当たったのですが……こちらは機会があればまたコラムの中で詳しくお話ししようと思います。
それから、月刊暗号資産本誌最新号のGameFiに関する話題の中で紹介されていたブロックチェーンゲームをやってみようかと思いまして、「TitanHunters」というアプリを入れてみました。無課金でできるという触れ込みに乗じたのですが、シューティング系ということで、センスのない私は早くもあきらめモードです。こちらも皆様に共有できる発見がありましたら、お伝えいたしますね。このタイトルに限らず、GameFi始めてみた! NFT売ってみたよ! という方、ぜひお話しできたらうれしいなぁ。

相場や収支は非常に苦しい状況が続いています。
さらに下がるのか、もしくは急激に価格を戻していくのかといったところはまったく見通しが立ちません。あまりネガティブな気持ちになりすぎないように状況を注視していきたいですね。

価格変動が激しさを増している状況ではありますが、皆さんもぜひ日々の情報収集に努めつつ楽しく便利な取り組みもチェックしていきましょ!

Profile ◉前田 真実果(まえだ まみか)
京都府出身。
レースクイーンやモデルとして活躍し、雑誌・ラジオ等に多数出演。
Adobeソフトの使用に長けており、DTPエキスパートなどを保有する「DTPできる系レースクイーン」。

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