月間暗号資産

前田真実果の“暗号資産投資”はじめてみました! Vol.82

前回は、自民党が開催した「メタバース演説会」にちなみ、日本の政界で暗号資産(仮想通貨)やWeb3.0についての議論が活発になっていることに触れました。
先日、岸田内閣が発表した経済方針を示す「骨太の方針」でも、ブロックチェーンやNFT、メタバースなど暗号資産(仮想通貨)関連の記述が見られます。これらが国の指針として設定されたことで、今後さらに関連する規制の整備や議論が加速すると思われます。
詳細が気になる方はぜひこちらの記事を読んでみてくださいね。

岸田政権、骨太方針を閣議決定 Web3.0や暗号資産への取り組みを本格化へ

私の収支に話題を移しましょう。
ビットコインは9週連続でマイナスを記録するという歴史的な下げ相場となりましたが、タイミングよくコラム執筆時に価格が上がってくれたこともあり、先週は微増となりました。
その時のビットコイン価格は約410万円。復調の気配が見られたところですが、今週はどのようになったでしょうか。

レンディングサービスに預け入れているビットコインも含め、約700円のプラスとなりました。先週とほぼ変わらないですねぇ。
コラムを書いている現時点でのビットコインの価格は先週と変わらず約410万円。イーサリアムは約24万円と、先週と比べ下がっていますが、他のアルトコイン価格がややアップしたことで、全体の収支もほんの少しだけ上がった感じ。

今週はアメリカの株式市場の動向などにも左右されて、暗号資産(仮想通貨)価格も上下する場面が目立ちました。ビットコインですと、415万円くらいまで上がったと思えば急に385万円くらいまで落ちて、そこからまた410万円くらいまで戻して……というような塩梅。アルトコインもビットコインに連動して推移しましたが、それでも比較的その値動きは穏やかであった印象です。
近年の取引環境や市場整備の状況をみると、このようにやや市場が不安定な時はビットコインが多く取り引きされますね。暗号資産(仮想通貨)の中でも、とりわけ影響力のある金融資産と見なされていることを示しているのではないでしょうか。

このコラムが掲載される頃には結果が分かりますが、アメリカで重要な経済指標が発表されるそうですので、それ次第でまた暗号資産(仮想通貨)市場全体にも影響が見られそうです。そろそろビットコインは下値を固めたと見解を語る人も出てきていますし、このまま上昇してほしいですね。

会社資金で投資をして30億円を不正に稼いだという事件

おカネをめぐっての不正や犯罪は、この先もなくなることはないのではないかと思いますが、暗号資産(仮想通貨)業界も例外ではありません。
ここ最近では、暗号資産取引所バイナンスがマネーロンダリングに利用されたというものであったり、NFTサイト オープンシーの元社員がインサイダー取引により起訴されたというものであったり。日本でも次のようなものがありました。
会社資金の170億円を使ってビットコインを購入し、30億円を稼ぎ出したという事件です。引き出した額もすごいですが、これを元手(?)に30億円も稼ぐことができたというのが驚きです。利益を出したあと、そっと170億円分を返せばよかったのでは?(よくない)……と思いましたが、それを行える環境と手段があれば人はそれをしてしまうんですねー。

この事件を簡単にまとめると、ソニー生命の元社員の被告が上司の指示と偽って海外子会社の口座にある会社資金を自身の米国口座に送金し、それをビットコインに変えたというものです。
不正送金を行った時期は昨年5月で、自身の口座に振り込みを完了した際、すぐさまビットコインに交換したそう。その時のビットコインの価格はだいたい550万円前後ほどだったと思います(300万円台くらいの時に実行できたらよかったのにねー……って不謹慎か)。

そして事件が発覚し、警視庁に逮捕されたのが昨年11月。あのFRBも捜査協力したことで逮捕につながったそうです。この時にビットコインを半ば強制的に利確することになったらしい。
11月といえばビットコインが過去最高値を更新した月で、約790万円で推移していました。仮に550万円の時にビットコインを買っていたとするならば、差額は240万円。170億円をすべてビットコインに注ぎ込んでいるわけですので、たしかに30億円くらいの利益が出ても不思議ではありません。

初公判が今週7日に行われたようで、被告は起訴内容を認めたみたいです。そのため、何もなければこのまま事件は収束に向かう……と思うのですが、一点大きな問題があるそうな。
先ほど挙げた30億円についてなのですが、実はこのお金、誰のものになるか決まってないようなのです。170億円を自分のものにしただけなら話が早いですが、それを元に利益を出しちゃってるんですよね。元々会社のお金なんだから増えた分も会社のものなのでは? と思いきや、今回のケースだとそうとも言い切れないみたい。
というのも、たしかに170億円は会社のものですが、争点となるのはそれを不正に利用したことであり、そこから先の「利益」については、会社は関係ないと判断される可能性があるみたいです。ある弁護士は、「170億円の返還義務はあるけれど、30億円の利益は被告に帰属する可能性がある」と指摘したそうです。

つまり利益が被告のものとなった場合、罪を償えば30億円が被告のもとに入ってくるということになります。うーん、釈然としませんが、この事件については暗号資産(仮想通貨)絡みではありますが、争点の部分はオーソドックスというか、暗号資産(仮想通貨)がまだない時代にも起こり得たことのように思います。例えば会社のお金で宝くじを買って大当たりするとか? そういう判例ってないのかしら。

ちょいと野次馬的な感想になってしまいましたが、この30億円の行方について続報が気になりますね。

 

今回は以上です。
国内で起こった暗号資産(仮想通貨)に関する事件についてピックアップしました。

今回は被害者が会社のみということで、規模は大きくとも個人単位の被害者はいませんでした。暗号資産(仮想通貨)はまだ新しいものですし、ユーザーのすべてが仕組みを完全に理解して使っているわけではないと思います。個人での対策というのはなかなか難しいと思いますが、知識を増やすと同時に、法整備やシステムを堅牢にするなど環境面での対策も進んでほしいと思います。

収支的には今もなお不安定な状態となっていますが、そろそろ底は抜けたのかなー……? という気はします。ちょっと趣向を変えて、最近新たに取扱いが始まった銘柄に目を向けてみるのもいいかもしれませんね。

それではまた来週もお会いしましょう!

Profile ◉前田 真実果(まえだ まみか)
京都府出身。
レースクイーンやモデルとして活躍し、雑誌・ラジオ等に多数出演。
Adobeソフトの使用に長けており、DTPエキスパートなどを保有する「DTPできる系レースクイーン」。

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