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今年10月は最もハッキング被害が多い?−前田真実果の“暗号資産投資”はじめてみました! Vol.101

前回はこのコラム開始から100回目の節目の回ということで、私がこれまでコラムを通じて学んできたことや、感じたことについてお話ししました。
暗号資産(仮想通貨)は投資の手段だけでなく、新しい世界に必要なおカネのかたちとして期待しています。現状の課題や今後こうなってほしいという願いのようなものも盛り込んでいますので、ぜひ読んでもらえたらうれしいです。

前田真実果の“暗号資産投資はじめてみました!” Vol.100

収支についてですが、10月もいよいよ終盤に差し掛かっていますし、大きなプラスがほしいところ。
先週はマイナス1,000円ほどと、ほぼ横ばいでしたが、今週はどうなったでしょうか?

今週はBitLendingに預けているビットコインも合わせて300円ほどのマイナスでした。たしかにマイナスではありますが、このレベルですと誤差の範囲というか、市場が膠着しているんだなということが伝わるかと思います。

コラムを書いている時点でのビットコインの価格は約288万円、イーサリアムは約19万4,000円で取引されています。
1週間のチャートでもほぼ横ばいで推移していますし、購入した方がいいの? 売却した方がいいの? という人が多いのかなと感じました。
今の相場はいわゆる「方向感がない」と表現されるような状態ですが、その反面、株式市場は大幅に反発しているようです。それにも関わらず暗号資産(仮想通貨)の上値が重いのは、リスク資産への投資を渋る投資家が多いことが理由の1つとして挙げられるそうです。

コラムを書いている時点でアメリカを中心に株式市場の状況が良い背景には、イギリスの大規模減税策が撤回されたことや、大手企業の決算が良かったことなどがあるそう。その一方で、来月にもアメリカでまた大幅利上げが行われる見方が根強く、このタイミングで変動の激しい株や暗号資産(仮想通貨)に投資を行うにはリスクが大きすぎるとの声もあります。
たしかにビットコインもアメリカのCPI(消費者物価指数)の発表がある日には大きく乱高下しますし、私自身も仮に大金を持っていたとして、この状況で暗号資産(仮想通貨)等に多くを注ぎ込めるかと聞かれるとなんとも言えません。

10月は暗号資産(仮想通貨)にとって相性がいいとされていますが、現時点でビットコインの価格は先月比マイナスとなっています。それでも、マイナス幅は非常に小さいですし、巻き返せる価格帯だと思いますので、なんとか市場に良い風が吹いてくれればと感じています。

2022年10月は過去最大規模にハッキング被害が発生した月に

「10月は暗号資産(仮想通貨)にとって相性の月」
……と先述しましたが、市場の調子がいいということはその分、悪意を持った人たちの活動も活発化しやすくなる傾向が強くなるかもしれません。お金が取引所などに集中しますし、ハッカーも暗号資産(仮想通貨)が集まっているところを狙えばいいわけですからね。

そんななか、今年10月は暗号資産(仮想通貨)業界で最もハッキング被害が発生した月になる可能性があるとのレポートが発表されました。

このレポートを発表したのはチェイナリシスというブロックチェーン分析企業。レポートの発表は10月13日にあり、その時点で10月に発生した大規模なハッキング事件は11回にものぼるそうです。
有名なところで言うと、世界的な暗号資産(仮想通貨)取引所であるバイナンスが手がける「BSCトークンハブ」という名称の「クロスチェーンブリッジ」という技術がハッキングを受け、約850億円相当の暗号資産(仮想通貨)が不正に流出したそうです。
厳密に言うと、バイナンスが発行する「バイナンスコイン(BNB)」が不正に発行され、それがハッカーの手元に渡ったみたい。不正行為であるため褒められるものではないですが、発行上限が決まっている暗号資産(仮想通貨)を大量に発行できるその技術はすごい。その力があれば、騙し取るより正当に稼ぐ仕組みを作れそうですけど……。

レポートによると、ハッキングの対象となっているのはDeFiで、特にその関連で先ほど挙げたクロスチェーンブリッジと呼ばれるものが標的となっているようです。

DeFiについては去年くらいに触れましたが、日本語で表すと「分散型金融」というものになります。ひと言で言えば「管理者不在の金融サービス」を指し、このDeFiの要素を取り込んだ取引所を「DEX(分散型取引所)」と呼んだりします。

そしてクロスチェーンブリッジは、別々のブロックチェーン同士を繋ぐ「橋」の役割を持つものみたいですね。
簡単な例を交えて説明しますと、本来イーサリアムで発行されているトークンを、ビットコインのブロックチェーン上に移す、みたいなイメージだそうです。これによって特定のブロックチェーンの中でしかできなかった活動がより広がりを見せるんだそう。
ちょっと分かりにくいですね……。ふんわりしたイメージになりますが、国境間にかけられた橋を思い浮かべるといいそうです。さっきの例で言うと、イーサリアム国からETHが運ばれてきて、ビットコイン国の領土に入った瞬間にはビットコイン国仕様のETHになっています、というような感じ。

DeFiは特定の管理者が不在であるという特徴がありますが、裏を返せばルールの範囲内で自身が行いたい金融活動を自由に進められるということになります。つまり、需要がありなおかつ自分の希望とマッチすれば、理論上さまざまなブロックチェーンを介して取引をしていいということです。
そしてクロスチェーンブリッジはそれを実現するツールとして、近年開発が進められ、利用者も増加していると言います。

しかしこのクロスチェーンブリッジにはまだまだ弱い部分もあり、ハッカーはそこを狙って攻撃を仕掛けるのだそうです。
これについては実際の橋を思い浮かべてみても同じことが言えるかと思います。大きさは問わず、もしどこかに穴が空いていて、そこに負荷をかけた際には、橋が崩れてしまうリスクが高まると思います。
現状のクロスチェーンブリッジでは、そのほとんどにおいて小さな穴が点在し、そこに対して巧妙な攻撃を仕掛けるハッカーが増えてきています。
それでも利用者が多く、暗号資産(仮想通貨)も集中するため、ハッカーにとっては狙いやすいものなんでしょうね。
新しいものに課題はつきものですが、ユーザーが安心して利用できるよう対策が進むことを願います。

 

今回は以上です。暗号資産(仮想通貨)のハッキング動向に関する話題をピックアップしました。

暗号資産(仮想通貨)はハッキングが多いという認識が広がり兼ねない内容だったとは思いますが、一点注意してもらいたいのは、取引所のように中央集権的な場所に対するハッキングは減少傾向にあります。それは取引所や各企業の努力があったからこそ実現したものです。少し残念ですが、暗号資産(仮想通貨)に関して慣れていない場合は、信頼できる管理者がいるところのほうが安心して取引できるのかなと感じました。

また、現状の相場は価格が上がるか下がるかの瀬戸際にあると思います。どうしても株価に影響を受けやすい状況であるため仕方ないと言えますが、なんとか好転して年末までつなげてほしいですね!

Profile ◉前田 真実果(まえだ まみか)
京都府出身。
レースクイーンやモデルとして活躍し、雑誌・ラジオ等に多数出演。
Adobeソフトの使用に長けており、Instagramなどで使えるGIF作成を日課としている。オリジナルキャラクターのGIFは2ヶ月で1,700万ビューを越える。

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