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バイナンスの「BUSD」が発行停止に−前田真実果の“暗号資産投資”はじめてみました! Vol.116

前回はTwitterにおける決済機能の導入についてのニュースをピックアップしました。
将来的には暗号資産(仮想通貨)決済にも対応することを念頭に置いているということで、今後の動向が気になりますね。

さて、収支の方では今年に入り負けなし! 好調が続いています。
今週は14日にアメリカでCPI(消費者物価指数)の発表などもありましたが、果たしてどのような結果になったのでしょうか?

BitLendingに預け入れたビットコインも含め、今週は約3,000円のマイナス。やはりどこかで調整は入りますよね……。

現時点でのビットコインは約295万円、イーサリアムは約20万5,000円と、どちらも先週と比べ価格を落としています。
こうなるとCPIによる影響を勘繰ってしまいますが、この暗号資産(仮想通貨)価格の下落は、実は様々な要因が重なった結果とのこと。それが今回のテーマにもつながります。

そのテーマについてはいったん置いておいて、それ以外の要因としては、アメリカのSEC(証券取引委員会)がクラーケンという取引所を証券法違反で提訴したことが挙げられます。この話題が暗号資産(仮想通貨)価格を大きく下げたと考えられます。

今回、SECはクラーケンが提供するステーキングサービスを問題視して提訴に踏み切りました。具体的には、「クラーケンのステーキングサービスは、取引所の努力によって利益を得ることができると投資家が判断して利用されている」という主張で、これはアメリカで定める証券法の投資契約に当たるとのこと。

発表の時点で、クラーケンがSECに対して約39億円を支払うことで和解は成立しています。しかし、クラーケンは和解に伴いアメリカユーザー向けのステーキングサービスを終了することとなりました。

この一件を通じて、アメリカであらゆるステーキングサービスが違法とみなされるかもしれないとの憶測が広がり、価格面にも大きく影響しました。
今年に入り、アメリカでは暗号資産(仮想通貨)関連の取り締まりが一層厳しくなってきています。昨年のFTXの破綻がかなり大きく影響しているものと言えますが、あまりにも急激に取り締まりを強化すると業界の成長を妨げてしまう可能性もありますし、難しいところですね。今後の動向には世界中から注目が集まることでしょう。

バイナンスのステーブルコインが発行停止に

さて、ここからが今回のメインテーマです。
サブタイトルの通り、バイナンスの独自ステーブルコインとして有名な「バイナンスUSD」という暗号資産(仮想通貨)が、なんとアメリカのNYDFS(米ニューヨーク州金融サービス局)という規制当局から発行を停止するよう命じられました。

NY州金融サービス局、バイナンスUSDの発行停止について説明 パクソスは認めない姿勢

このような命令が下された大きな要因の一つとしては、バイナンスUSDがイーサリアム以外のブロックチェーンでも発行されていたから。つまり言い分としては、「イーサリアムでバイナンスUSDを発行することは許可したけど、それ以外のブロックチェーンでの発行は認めてないよ」ということになります。

今回のニュース、最初はピンとこなかったんですよね。パクソスを知らなくて、暗号資産(仮想通貨)関連の企業が何か疑いをかけられてるっぽいとしか思ってなかった……。その後、いやいや、バイナンスUSDの発行停止って大問題じゃん! と。
そもそもバイナンスUSDの発行自体はバイナンスではなく、アメリカのNYDFSが監督する、このパクソスという会社が行っています。そのため、バイナンスUSDは実質的にNYDFSの監視下で発行されてきました。時価総額もテザーやUSDコインといったステーブルコインに次ぐ規模で、時価総額順位もずっとひと桁台に位置しています。

そんなバイナンスUSDではユーザーの利便性向上を目的として、ポリゴンやアバランチ、トロンといった他のチェーンへの対応も行っていました。仕組みとしては、イーサリアム上で発行されているバイナンスUSDをロックし、1:1の割合で他のブロックチェーンで発行するといったもの。
しかし、バイナンスUSDの他ブロックチェーンでの展開自体はバイナンスが提供しています。NYDFSは管理体制やデューデリジェンス※義務になんかにも触れていますので、これが問題視されたようです。

※デューデリジェンス(Due Diligence)……価値やリスクの調査など企業が必ず行うべき義務とされているもの。

どうやらライバル企業による告発に端を発するようで、暗号資産(仮想通貨)業界の事件って告発とかリークとか多くない? と思ってしまった……。新しい分野だし、やったもん勝ち的なところが大きいのかな(井戸端的思考ですみません)。

 

今回は以上です。
今週は暗号資産(仮想通貨)業界全体に影響を及ぼす大きな事件がいくつかあり、価格を下げる要因となりました。まだまだ法整備や様々な線引きで改善すべき点があるんだなと感じます。

いちユーザーとしては、課題を洗い出してできるだけ安全に利用できるようになってほしいと願うばかりです。

Profile ◉前田 真実果(まえだ まみか)
京都府出身。
レースクイーンやモデルとして活躍し、雑誌・ラジオ等に多数出演。
Adobeソフトの使用に長けており、Instagramなどで使えるGIF作成を日課としている。オリジナルキャラクターのGIFは2ヶ月で1,700万ビューを越える。

SNS
ブログ:Mamika Maeda Note
Twitter:@mamilium
Instagram:c1mamika

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