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日本がWeb3をリード?−前田真実果の“暗号資産投資”はじめてみました! Vol.105

前回は業界の内外に衝撃を与えたFTX騒動について触れました。ちょうどコラムが更新された日にFTXは日本の民事更生手続きに相当する連邦破産法11条というものをアメリカで申請しました。つまり、破綻したというわけです。
この申請はFTXグループ130社が対象となり、日本のFTX Japanも含まれています。この後さらにFTX関連の続報についてお話ししていきたいと思います。

そんなFTXの動向に、わたしの収支も大打撃を受けて先週は大きなマイナスとなりました。今週も厳しい結果となる可能性が高いですが、どうなったでしょうか。

BitLendingに預け入れているビットコインも含めて今週は約4,000円のマイナスとなりました。やはりまだまだ事態収束には時間がかかりそうです。

コラムを書いている時点で、ビットコインは約233万円、イーサリアムは約17万円となっています。ビットコインは一時220万円ほどまで下落しました。

アメリカの金融市場なんかを見ても比較的堅調に推移しているのですが、暗号資産(仮想通貨)価格のみ下落している状況となっています。詳細はこの後書きますが、やはり連鎖的な倒産や規制強化など、ネガティブなイメージが先行しビットコインなどの売りが先行していると予想されます。
FTXは多額の出金要請が重なり、結果的に破綻したわけですが、現在他の取引所でも出金の動きが強まっているそうです。そのような心理になるのも致し方なしではありますよね……。

FTX破綻後の動向

さて、ここからはFTXの破綻後の出来事を追っていきたいと思います。
まず、先ほども名前を挙げたFTX Japanについては、日本の取引所ということもあり皆さんも気になるところではないでしょうか。

現在、FTX Japanではサイトに繋がりにくい状況が続いているほか、暗号資産(仮想通貨)の出金も再開されていません。出金が進まない理由について具体的な説明はありませんが、親会社のFTXが関係しているのは間違いないでしょう。なお、顧客資産についてはユーザーから預かった資産に対して余剰する量をコールドウォレット(インターネットから遮断されたウォレット)で保有していると発表していて、資産がなくなっているなどの状況にはないと強調しています。いまだに暗号資産(仮想通貨)の出金が再開されていないこと、その理由を明確にしていないところを踏まえると少し疑問に思うところがありますが、まずはFTX Japanを利用していたユーザーがこれ以上不利益を被るような状況にならないことを祈ります。

暗号資産(仮想通貨)の出金がなかなか進まない理由の一つとして、アメリカと日本の法律、どちらを優先すべきか定かになっていない点が関係しているかもしれないとのことです。もっと具体的に言うと、日本の資金決済法とアメリカの連邦破産法11条、どちらが優先されるの? というところです。
FTX Japanの親会社であるFTXはすでに破産申請をしていて、現段階では簡単に顧客資産も含む様々な資産に手を付けることができません。とはいえ、FTX Japanは日本の会社で、本来なら日本の法律が適用されるはずですが、あくまで海外法人のグループ会社の一つであり、しかもFTX Japanも破産申請の対象に含まれているため、安易に動くわけにはいかない……ざっくりとではありますが、このような背景があるようです。

それでも、日本では世界に先んじて厳しい規制整備を行ったことで、資産がしっかり返ってくる可能性が他国のユーザーと比べて非常に高いそう。日本では顧客資産の分別管理や、コールドウォレットでの保管を徹底するよう指導されているとのことで、それがしっかり活きているんですね。これまでの経験や対策があったことで、関東財務局がFTX Japanに業務停止命令などを発出する判断が迅速に行われたようです。

ちなみに、FTXの破綻による影響で、すでに連鎖倒産の危機に扮している海外企業もあるそう。その企業たちはFTXに投資していたり、FTXに資産を預け入れていた企業。非常に大きな取引所の破綻ですので、その影響は計り知れませんね……。
破綻による連鎖の影響はまだ続いていくと思いますが、今回の一件を教訓としてより厳しい規制整備が行われていくと思いますし、暗号資産(仮想通貨)を取り巻くよりよい環境作りへの転機となることを期待したいと思います。

日本がWeb3をリード?

日本の代表的な企業、団体等で構成される経団連(日本経済団体連合会)が15日、Web3推進戦略を打ち出しました。

経団連、Web3.0 推進に向け国家戦略案を発表

この発表では、Web3周辺環境の日本の現状、Web3先進国として各国をリードしていく存在になるための計画が記されています。
各国の「暗号資産による利益実現額」比較結果を元に、日本は他国に比べ遅れを取っていると定義したうえで、その原因となっている税制等の環境を整備することが、行うべき最初のステップとして挙げられています。これを解決すれば携わる人、企業が増え、他国への人材流出を防ぐことができ、市場が盛り上がる。市場が活性化することで次第にこの分野の産業が確立していき、日本内外から優秀な人材が集まる。そして最終的には、持続可能な世界の実現への手段としてWeb3を活用するアイデアを提示していくリーダーになりましょう、という概略です。

この提言では技術的な具体策というより方針の大枠が書かれており、また関連ワードが簡潔にまとめられていますので、気になる方はぜひ読んでみてください。
とても印象的なのが、「まだ始まったばかりの分野なんだから、とにかくまずはやってみようよ」というマインドが感じられることです。これ、私の曲解ではなく『「まずやってみる」精神』ってほんとに書かれているんですよね。
政府の骨太方針もありましたが、日本が国を挙げて取り組んでいこうという気運の高まりを感じます。

Web3環境やその周辺技術は、あったほうがいいよね、知っておいたほうが得……というものではなく、直に訪れる現実で当たり前になるものと思っています。その世界では「何か大きなもの」の介在を必要としなくなる分、一人ひとりの考え、知識、技量が重要になる。現在、この平和な日本ですら新たな貧困問題が取り沙汰されています。持つ者と持たざる者の分断が進んでいることを感じさせます。GameFiに代表されるような、新たな生き方の可能性が見出されていますが、逆に「なんとなく」ではもう生きられないのではないかという恐怖感もあります。
すべての人がまず同じスタートラインに立てるように教育の必要性を強く感じます。今までにない働き方、企業のあり方が実現できる可能性に満ちた世界で、学ぶ機会のあるなしでさらなる貧富の差が生まれたら悲しいですから。

 

今回は以上となります。
FTX破綻の続報と経団連が打ち出したWeb3の提言についてお話ししました。

これらを通して感じるのは、結局は自分次第なのだなぁということ。自己責任というとちょっとニュアンスが違うのですが、誰か・何かがやってくれているからよく知らなくても大丈夫。そのような考えだと何か事が起こった時にやりきれない気持ちになりそう。
どうしてそれをするの? 何を基準に? それらを学び取っていかないと、寄りかかるものがなくなった時に困ってしまいます。困るだけならいいですが、そのうち判断する権利すら奪われてしまうかもしれない。
日本が急いで環境の整備を進め、この分野で先進国になっていこうと模索していることには、そんな危機感もあるのではと思います。

わたしももっと勉強して、皆さまにシェアしたり、一緒に考えていければなぁと思っています。
感じたことや収支についてなど、いつでもコメントお待ちしております!

Profile ◉前田 真実果(まえだ まみか)
京都府出身。
レースクイーンやモデルとして活躍し、雑誌・ラジオ等に多数出演。
Adobeソフトの使用に長けており、Instagramなどで使えるGIF作成を日課としている。オリジナルキャラクターのGIFは2ヶ月で1,700万ビューを越える。

SNS
ブログ:Mamika Maeda Note
Twitter:@mamilium
Instagram:c1mamika

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