2021.10.22
Vol.63ニュースから見る暗号資産・Blockchain業界
10月22日(金)メールマガジン配信号より
アジア最大のブロックチェーンカンファレンス「Japan Blockchain Conference」の事務局より提供を受け、業界に関する事務局独自の見解を隔週で配信させていただきます。
〜ビットコインの資産クラスを引き上げた米国でのETF承認〜
2021年の暗号資産業界動向を語る上で、欠かせないトピックが生まれた。それは米国における初めての暗号資産ETF誕生だ。
米時間15日、ProSharesのビットコイン先物ETFが米証券取引委員会(SEC)より承認されたことで、暗号資産業界の悲願が達成された形だ。
このビットコイン先物ETFは19日に上場し、初日に約10億ドル(約1,140億円)の出来高を記録した。出来高はETFとしては史上2番目の規模となる。
追随するように、ValkyrieとVaneckのビットコイン先物ETFも承認された。共にProSharesのビットコイン先物ETF同様、初日から多くの取引が行われることに期待したい。
しかしこれらのETFは全て先物ETFという共通点がある。
SECのゲンスラー委員長は先物の暗号資産ETFに関しては前向きな発言をしていたが、現物ETFについては慎重な姿勢をにじませている。
そういったなかで、米暗号資産投資企業Grayscale(グレースケール)は同社が提供するビットコイン信託「グレースケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)」を、ビットコインETF(上場投資信託)に変更するための申請を開始した。承認される見通しは現在立っていない。しかし、世界最大のビットコイン信託がETFに変更されたとなれば、そのインパクトは非常に大きい。
ビットコイン先物ETFの承認をめぐる一連の動向を受け、ビットコイン価格も過去最高値を更新した。
金融市場の中心である米国においてビットコイン先物ETFが上場したというのは、ビットコインの資産クラスを引き上げる意味でも非常に重要なものである。
今回の承認から上場の流れを受け、間違いなくビットコインに対する見方、考え方は変化したはずだ。ビットコインの現物ETFの実現は不透明ではあるものの、ビットコイン先物ETFが実現したことで、ビットコインは新たなステージに進んだと言える。