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Vol.62ニュースから見る暗号資産・Blockchain業界

10月8日(金)メールマガジン配信号より

アジア最大のブロックチェーンカンファレンス「Japan Blockchain Conference」の事務局より提供を受け、業界に関する事務局独自の見解を隔週で配信させていただきます。

〜米国で急速に変化している暗号資産を取り巻く環境〜

近頃、米国において暗号資産に関する話題が急激に増えている。

FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長や米証券取引委員会(SEC)のゲンスラー委員長が相次いで暗号資産の禁止をする方針はないといった声明を出したほか、大手企業による暗号資産関連サービスの取り組みが明らかになるなど、これまで以上に動きが顕著だ。

また、政府も暗号資産規制の整備に積極的な姿勢を見せている。

バイデン大統領はサイバー攻撃対策の一環で30ヶ国を召集すると表明。その際「暗号資産の不正使用を阻止する」と言及し、これまで以上に取り組みを強化していく考えを示した。

それだけでなく、バイデン政権はステーブルコイン規制にも本格的に動き出す。ステーブルコインを発行する企業に対し銀行と同様の登録制度を設ける必要性を強調するなど、新たな法律整備を議会に促した。

こうした動きの裏には、検討が遅れているデジタルドルの存在も見え隠れする。FRBが近日中に発行の是非を検討開始することが明らかになったが、世界の潮流を見れば慎重姿勢だけを見せ続けることになんらメリットはない。

ステーブルコインの規制についてはFRB、SEC共に暗号資産関連規制のなかでも最重要と位置付けている。デジタルドルが発行されると仮定して、互いに共存していくためにもステーブルコインの明確な規制は必要不可欠であると言える。

米国では暗号資産業界全体が注目するビットコインETFの承認可否も近づいている。これに先駆けて3つの暗号資産関連ETFが先日承認されたのは、非常に前向きに捉えることができるだろう。

現在、中国における暗号資産規制の強化がより鮮明になっている。一連の動向で業界内に多大な影響が見られたが、米国からすれば暗号資産の主権を確固たるものにするチャンスを得た形になる。

こうした背景を思い浮かべれば、ドル主導の世界を作り上げた米国が次のステージとして暗号資産での覇権を見据え始めたと言えるだろう。