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Vol.55ニュースから見る暗号資産・Blockchain業界

6月25日(金)メールマガジン配信号より

アジア最大のブロックチェーンカンファレンス「Japan Blockchain Conference」の事務局より提供を受け、業界に関する事務局独自の見解を隔週で配信させていただきます。

〜与野党の垣根を超えて検討されるブロックチェーンの活用〜

菅義偉内閣が発足し9ヶ月ほどが経った。

今年9月に新設される予定のデジタル庁を含め、日本は今まさにデジタル社会の実現に向けた岐路に立っている。特に菅首相の肝入り政策であるデジタル庁は縦割り行政の打破に焦点を当てており、デジタル化を推進することで業務の「ムダ」を削減する狙いがある。

そんな菅政権は先日、閣議決定した「デジタル社会の実現に向けた重点計画」において、ブロックチェーンの活用を盛り込んだ。この重点計画においては、ブロックチェーンの透明性を評価した上で、今後高い信頼性が求められる公共性のある分野への活用を見据え、技術面や運用面における課題やその解決法を探っていく趣旨が記載された。

このことからも、ブロックチェーンをすぐに利用するわけではないが、将来的には活用する必要性があるとの認識を示したと言っていいだろう。

また、近頃は与野党共にブロックチェーンの活用を模索した動きを見せている。

自民党では、ブロックチェーンの普及を目指す「ブロックチェーン推進議員連盟」が立ち上げられ、会長である⽊原誠⼆衆議院議員を中心に政府への提言を取りまとめていく。

一方、最大野党である立憲民主党もブロックチェーン等を用いたインターネット投票の導入の推進に関する法律案を提出。ネット投票の最大の懸念点であるデータの改ざんおよび管理体制の整備にブロックチェーンが有効であるとの認識を示した。

現在の日本はブロックチェーンの活用に向けた本格的な議論がなされている状況とは言えない。デジタル化に関する議論が近年になりようやく始動したことから、致し方ないとも言える。

しかしその反面、世界各国で情報漏洩やサイバー犯罪が多発し、日本においてもその脅威にさらされている状態だ。そのような状況だからこそ、ブロックチェーンの強みを生かしたデジタル化について、与野党の垣根を超えた建設的な議論を期待したい。