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Vol.53ニュースから見る暗号資産・Blockchain業界

5月28日(金)メールマガジン配信号より

アジア最大のブロックチェーンカンファレンス「Japan Blockchain Conference」の事務局より提供を受け、業界に関する事務局独自の見解を隔週で配信させていただきます。

〜暗号資産業界でも分岐する米中路線〜

近頃の暗号資産業界は様々な要素が絡み合い複雑な様相を描いている。市場はこの波に揉まれる形で乱高下し、主要銘柄の多くは大幅に価格を落とした。

価格下落こそ電気自動車テスラのCEOであるイーロン・マスク氏によるビットコイン決済中止の発表が大きな要因となったが、さらに大きなスケールで潜在的なリスクを引き出したのは中国だ。

中国が暗号資産を全面的に禁止しているのは周知のことだが、ここにきてさらに圧力を強めてきた。これまで容認していたビットコインマイニングや取引について、語気を強めて押さえ込むことを宣言したのだ。

詳細こそわかってはいないものの、ついに大掛かりな規制に乗り出したと捉え、中華系の暗号資産取引所やマイニング事業者は対応に追われることとなった。

今回の中国政府による方針がビットコインのハッシュレートに大きく影響することが懸念されるほか、市場を形成する上で重要なチャイナマネーの動向が一層不透明なものになる可能性があるため、警戒する声が挙がるのは必然と言えるだろう。

一方で、米国も暗号資産規制に注力する姿勢を見せているが、中国とはその方向性が大きく異なる。

バイデン政権は暗号資産の投機的なリスクなどを懸念し、規制を講じる必要性こそ取り上げているものの、それはあくまで健全な市場形成と技術発展を前提にしたものだ。

経済政策や国家体制に違いがあるとは言え、米中の方針が大きく異なるという点は、今後の暗号資産業界の動向をより不透明なものにする可能性を孕んでいる。

現在の社会情勢も鑑みると、当面の暗号資産市場を含む業界の動向は米中によって左右される展開が繰り広げられることだろう。