2020.08.21
Vol.33ニュースから見る暗号資産・Blockchain業界
8月21日(金)メールマガジン配信号より
アジア最大のブロックチェーンカンファレンス「Japan Blockchain Conference」の事務局より提供を受け、業界に関する事務局独自の見解を隔週で配信させていただきます。
〜暗号資産市場の重要なキーとなるDeFi 〜
今年に入り、暗号資産業界において日に日に存在感を増しているのがDeFiだ。
DeFiは「分散型金融」とも呼ばれ、ブロックチェーンを用いることで、中央集権を必要としなくても金融サービスを提供することが可能な点が特徴だ。現在、主に暗号資産の貸し借りが自動で行われている。
今や暗号資産市場を大きく揺るがすほどの勢いを持っており、チェーンリンク(LINK)やコンパウンド(COMP)など、DeFiに関連した銘柄が軒並み高騰している。
そしてついには、暗号資産の王とも言えるビットコインの価格を抜く銘柄も現れた。
その銘柄はyearn.finance(YFI)という銘柄で、20日頃には1YFIあたり137万円の値をつけた。
YFIは先月18日から取引が開始され、価格は約3,400円であった。その当時から比較すると、わずか1ヶ月で約40,000%もの上昇を記録したことになる。
総発行枚数が3万YFIと、ビットコインと比べれば圧倒的に少ない。
しかし、それでもビットコインの価格を抜くほどの需要がYFIに集まっていることから、DeFiがいかに力強くブームを生み出しているかがわかる。
また、暗号資産取引所がDeFIに関する研究を加速させる動きも見られている。
グローバルに展開する暗号資産取引所Huobiが新設したDeFi部門である「Huobi DeFi Labs」が、DeFiの研究を促進させるべく国際的なコンソーシアムを立ち上げた。
これは先述したコンパウンドを発行するCompoundやMakerなど、大手DeFiプロジェクトと連携して進められるもので、世界規模でのDeFi開発および採用を加速させることが狙いのようだ。
他にも、DeFi銘柄を上場させている大手暗号資産取引所などがDeFiの需要増を踏まえて独自研究を進めているなど、今後もしばらく「DeFi熱」が継続していく可能性がある。
もちろん過度な期待は禁物だが、今後の暗号資産市場や新たなブームを見つけ出す情報収拾の一環として動向を見定めるのも悪くないだろう。