2020.07.31
Vol.32ニュースから見る暗号資産・Blockchain業界
7月31日(金)メールマガジン配信号より
アジア最大のブロックチェーンカンファレンス「Japan Blockchain Conference」の事務局より提供を受け、業界に関する事務局独自の見解を隔週で配信させていただきます。
〜急騰した暗号資産御三家と市場の活気〜
暗号資産に似つかわしくない推移が続いていた暗号資産市場に勢いが戻ったようだ。
23日頃から月末にかけて、時価総額順位で不動の上位を誇るビットコイン、イーサリアム、リップルの御三家が揃って急騰し、なおかつそれぞれが起点となって市場を盛り上げた印象だ。
時系列を遡って振り返っていくと、まずイーサリアムが27日に前週比35%もの急騰を記録し、年初来高値を更新するなど、市場の底上げに一役買った。
イーサリアムは7月30日でメインネットの立ち上げから5周年を迎えるだけでなく、大型アップデート「イーサリアム2.0」に向けた準備が着々と進められていることが好材料になったと思われる。
この日は金(ゴールド)がニューヨーク金先物において一時1トロイオンス1944.77ドルまで上昇し、2011年に記録した最高記録を更新したことも印象的であった。結局、金は翌日も値を上げ1974ドルまで上昇。現在は少し値を下げているが、米ゴールドマンサックスは12ヶ月の見通しを2300ドルまで引き上げるなど、依然として安全資産の需要は高まっていくと推察しているようだ。
金が再度最高価格を付けた日に、ビットコインも年初来高を記録した。
この前日、イーサリアムに押し上げられる形で一気に1万ドル(約106万円)を上抜けると、そのまま右肩上がりに価格を上げ、一時は1万1300ドル(約118万円)まで上昇した。
「デジタルゴールド」とも呼ばれるビットコインだが、深まる米中対立や経済の先行き不透明感から、金と同様に需要が高まったとされる。また一説には、8月より米国で開始される2回目の給付金配布を前に、ビットコインに資金流入した可能性もある。
実際、米国の給付金が株や暗号資産に流れているといったデータもあるため、価格が上がる前に買っておこうといった思考が働いたのかもしれない。
そしてビットコインやイーサリアムが落ち着きを見せた頃、市場の熱をまだ冷まさんと言わんばかりに今度はリップルが急騰した。
これは米リップル社が主催する大規模カンファレンス「Swell」の地域別セミナーが29日より開催されたことによる期待買いと見られる。
過去の開催を振り返ると、Swell開催時期にリップルのボラティリティは高まる傾向にある。今回の一連のセミナーを第4回として数えるならば、前回を除く過去2回でリップルの価格は大きく上昇している。
今回は秋頃までの計5回開催が計画されているため少し状況は違うが、セミナーの日程が近づくほど価格面にも影響が出る可能性があるだろう。
主要銘柄を中心に盛り上がりを見せている暗号資産市場。
特にビットコインは過去の傾向上、半減期後3ヶ月以内に大幅に上昇していることから、今回の急騰をきっかけに本格的な上昇を見せる可能性もある。